日本の観光地「陳腐化・老朽化」が止まらぬ4大原因 インバウンド復活も「まったく安心できない」訳

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インバウンドが復活しても、日本の観光地は「まだまだ課題だらけ」だといいます(画像:marco/PIXTA)
日本のスキー人口が激減、インバウンドも途絶え、多くのスキー場が青息吐息となっている。そんな中、来場者数が過去最多を更新し続けている話題のスキー場をご存じだろうか? 長野県白馬にある「白馬岩岳マウンテンリゾート」だ。
「土地が本来持っている『隠れた資産』を発見し、磨き上げる。ただそれだけを考え、さまざまなアイデアを実現してきました。その結果、わずか4年で100のテレビ番組で紹介していただき、スキー場なのに夏の来場者数が8倍になって、冬の来場者数を超えるという結果につながったのです」
そう語るのが、白馬岩岳マウンテンリゾート代表の和田寛氏だ。ずば抜けたアイデアを次々と導入し、「夏に稼ぐスキー場」を生み出した和田氏。その初の著書『スキー場は夏に儲けろ!――誰も気づいていない「逆転ヒット」の法則』が刊行された。ここでは、インバウンドが復活しても観光業が安泰とはいえない「根本的な課題」について解説してもらった。

「インバウンドの復活」でも現場は不安だらけ

2022年12月も半ばに入り、白馬エリアでも3シーズンぶりに多くの海外スキーヤーや外国人観光客を目にするようになりました。

スキー場は夏に儲けろ!: 誰も気づいていない「逆転ヒット」の法則
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コロナ禍が始まって早3年近く。白馬だけではなく全国の観光地では非常に苦しい時期を過ごしていましたが、2022年10月の国境開放を機に、「これでようやっと一息つける」と胸をなでおろす声もよく聞きます。

しかし、本当にこれで全国の観光地は「なんとかなる」のでしょうか

コロナ禍はこれまでの苦境を増幅する要素だったと思いますが、コロナ禍が収束しても解決できない「もっと大きな課題」が、これからの観光業を待ち構えているように思えてなりません。

今回は、日本の観光地が抱えている「根本課題」とその原因を解説し、打開策を考えていきたいと思います。

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