プロ野球「NPBと独立リーグ」収益源で決定的な差 観客動員を増やしスポンサー頼りを抜け出せるか

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続いて球団の売上構成比。プロスポーツチームの収入には、入場料、球場内の物販、放映権、ライセンス、スポンサーなどがある。

NPBの売上構成比は、入場料収入33%、スポンサー収入33%、物販収入15%、放映権収入15%、その他4%程度とされるのに対し、独立リーグは入場料収入7%、スポンサー収入63%、物販収入6%、放映権収入はほぼ0%、その他24%となっている(球団ごとに差はある)。

スポンサー依存の度合いが強い独立リーグ

観客動員が少ないのだから当然だが、独立リーグは入場料収入は極めて少ない。ほとんどがスポンサー収入であり、スポンサー依存の大きさが、独立リーグの最大の特徴だと言えよう。しかし「スポンサー収入」と言っても、NPBと独立リーグではその意味するところは大きく異なる。

四国アイランドリーグplusの観客席(写真:筆者撮影)

NPBの場合、毎試合少なくとも1万~3万人の観客が入る。球場に看板を掲げたり試合の「冠スポンサー」になることの「広告効果」は大きい。また始球式をしたりVIPルームで観戦できるなど、スポンサード企業は「ステイタス」を感じることができる。

独立リーグの場合、観客数は数百人前後だから大きな「広告効果」は見込めず「ステイタス」もNPBほどではない。スポンサーは「地元の球団だから」お付き合いで金を出しているという部分が少なくない。

しかし、そうした大相撲の「タニマチ」的なスポンサーは、企業の経営状態が変化したり、経営者の気持ちが変わったらあっけなくなることも多い。

独立リーグの最大のスポンサーの一つはBCリーグのネーミングライツを獲得しているホテル業のルートインホテルズだ。スポンサードする意義について聞くとこう答えた。

「元々はBCL憲章に賛同しオフィシャルスポンサーとして協賛していた経緯があります。その後、ネーミングライツの依頼を受け、弊社の発祥の地が長野県だということなども含めて、親和性も高いことから受諾いたしました。スポーツ協賛を通して日本を元気にしたいという理念、スポーツ団体の宿泊をサポートしたいという思いのもと、スポーツに関する支援を行っています。また、当社理念をステークホルダーの皆様にお伝えすることができる機会だと考えております」

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