日本社会は「ウィズコロナ」へとシフトし、ようやく活気が戻ってきた。そんな中で2022年のプロ野球独立リーグは、大きな変化の年となった。
独立リーグ日本一を決める日本独立リーグ野球機構(IPBL)グランドチャンピオンシップは、四国アイランドリーグplus(四国)とルートインBCリーグ(BC)の優勝チームによってこれまで行われてきた。IPBLへの加盟リーグが増加した2022年は、四国、BCにヤマエグループ九州アジアリーグ(KAL)、北海道フロンティアリーグ(HFL)が加わった4リーグによるトーナメント戦が熊本で開催され、KALの「火の国サラマンダーズ」が日本一に輝いた。
コロナ禍からの回復途上だが、2022年11月時点で日本には過去最大の7リーグ30球団の独立リーグ球団が存在している。しかし、独立リーグは必ずしも順風満帆とは言えない。
小さい経営規模で球団が維持できるワケ
まず経営規模の問題。コロナ前の2019年の段階で、四国の観客動員は4球団合わせて6万9530人、1試合当たり504人、BCは12球団合わせて20万3265人、1試合当たり535人、IPBLに加盟していないさわかみ関西独立リーグは、1試合当たりおよそ100人前後。独立リーグ全体で29万人ほど、1試合当たり400人程度だった。
NPBはこの年、史上最多の2653万6962人、1試合当たり3万928人を動員した。ざっくり言えば、独立リーグはNPBの100分の1強しかお客を集めていない。売り上げでは、独立リーグは1球団当たりの年間売り上げが1億円前後、2016年のデータだがNPBは福岡ソフトバンクホークスの259億円を筆頭に100億円以上が8球団。平均で133億円程度だ。売り上げで見ても独立リーグはNPBの100分の1以下なのだ。
これほどまでに小さい経営規模で、球団が維持できているのは、驚異的ともいえる。どの球団も損益分岐点を徹底的に下げて球団の維持に努めている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら