どんなに優れた機能を持っていようとも、基本的な手への馴染みやマウスポインターの動きといった基本性能が優れていなければ使いやすいとは言えない。MX Masterには多数の新しい機能が搭載されているが、まずは日常的なマウス操作について、前モデルであるm950と比較していこう。
m950は単三形のエネループ1本が同梱されており164グラムの重さ。1回の充電で使える時間は4日~1週間程度だった。対する新型は内蔵リチウムイオン電池となり、本体は152グラムに軽量化されている。バッテリー持続時間はカタログスペック値で最大40日となっている。毎日朝から夕方まで使い続けるような方は、2~3週間程度と考えた方がいいかもしれない。
いずれにしろ、本体は軽量化された上にバッテリ持続時間が大幅に伸びたことになる。またバッテリが切れた場合でも、1分あたり2時間分の急速充電が可能で、4分ほどの充電時間があれば、その日は1日中まかなうことができる。
充電はMicro USB端子から
MX Revolutionでもリチウムイオンバッテリを採用したものの、充電接点の不良やバッテリ劣化などもあって、経年変化に弱いという印象があったが、このぐらいのバッテリ性能ならば安心できそうだ。バッテリのサイクル性能(繰り返しのフル充電に対する耐久性)はおよそ500~600回程度といったところだろう。なお、充電はMicro USB端子から行う。
ところが、実際の手への馴染みとなると、筆者の場合はm950の方が良いと感じられた。MX Masterもロジクール伝統の親指と薬指のフィット感を高める独特のシェイプをしているのだが、”クビレ”がやや浅くなっている。特に薬指側にはクビレがあまりなく、マウスをつまんで上に持ち上げて操作する時には、毎回マウス本体をスベリ落としそうになる。
m950が親指と薬指で軽く挟んでおけば持ち上がるのに対して、MX Masterはやや”掴む”意識を強くしなければ落としそうになる。このこともあってか、実際には軽量なMX Masterの方が重く感じられた。
これはMX Masterで唯一と言っていい残念な点だ。クレイモデラーが丁寧に原型モデルを手作業で削り、手へのフィット感を高めたシェイプにしたとのことなので、筆者特有の感覚かも知れないが、実物を試す機会があればご自分の手で確かめて欲しい。
一方、ボタンの操作感はクリック時の音が低音方向にシフトしているため、ややニブイ印象をうけるかもしれないが、実質的な質感は大きく変化していないと思う。もちろん、マウスの動きを検出するトラッキングセンサーは、MX1000以来のレーザー光を用いたdarkfieldテクノロジを搭載しており、使う場所を選ばず高精度である点は従来通りだ。
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