同様の機構はMX Revolutionで導入されていたが、当時は使用アプリケーションごとに自動切り替えするか、手動でホイールボタンを押し下げることで切り替えるかの二種類の切り替え方法だった。前者はアプリケーションごとにカスタマイズが必要であまり使われなかった。このため、m905ではよりシンプルなメカボタンによるクラッチ切り替えに改められている。
新型のMX Masterでは、ふたたび電磁クラッチによる切り替え機構が復活し、マウスに内蔵されるコントローラでホイールの動きを検出。通常時はクリック感のあるラチェットモードになっているが、ホイールの加速度を監視して高速スクロールが必要と判別した際には、自動的に電磁クラッチを解放してフリースピンモードに切り替わる。このフルオートのホイールモード切替は「Smart Shift」と名付けられている。
使用感はすこぶる良好。本機を選ぶか否かは、この動作フィーリングが気に入るか否かにかかっていると言っても過言ではなかろう。筆者はデフォルト設定で充分に良いフィーリングが得られたが、どの程度の感度でフリースピンモードに切り替わるかは、設定画面で切り替えることが可能だ。またマウスの任意のボタンにホイールの動作モードを切り替える機能を割り当てることもできる。
WinとMac、両方の特徴を捉えたジェスチャーボタン
もうひとつ、ジェスチャーボタンという機能も、MX Masterで追加されたものだ。親指の第1関節下あたりにある隠しボタンで、これを押し下げながらマウスを上下あるいは左右に動かすことで、特定の機能を呼び出せる。
同様の隠しボタンはm950にも存在していたが、アプリケーション切り替え機能を呼ぶ機能が従来は割り当てられていた。MX Masterは同じボタンをジェスチャーと組み合わせることで、4つのアクションに振り分けられるようにしたのだ。
設定で変更は可能だが、規定値で割り当てられている機能は、WindowsとMacOS X、それぞれの特徴に合わせたものになっている。
Windowsの場合、ジェスチャーボタン+上下でウィンドウの最大化とデスクトップ表示、ジェスチャーボタン+左右でウィンドウの左スナップ、右スナップが呼び出される。
これがMacになると、ジェスチャーボタン+上下がMission Control呼び出しと同一アプリのウィンドウを個別表示するモード、ジェスチャーボタン+左右がフルスクリーン画面の移動といった具合だ。
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