最高240万円!LINNの音は何が違うのか

高級オーディオメーカーの超サバイバル術

LINNを象徴する製品であるアナログレコードプレーヤーLP-12などを含む製品群

スコットランド・グラスゴーに本拠を置くLINN Productsは高品位オーディオのメーカーとして、決して”大手”に属するメーカーではない。そのオリジンは1972年に遡り、創業者のアイヴァー・ティーフェンブルンが家業であった金属切削業の技術を活かして、高精度のアナログディスクプレーヤー「SONDEK LP12」の開発をしたことから始まっている。

現行製品は製品の品質(主に掛けているコストによってランク分けされている)によって複数種類があり、たとえば音楽プレーヤーならばKlimaxシリーズが240万円程度、Akurateシリーズが90万円、Majikシリーズが35万円程度という目安が設定されている。為替変動にも若干の影響を受けるが、単体コンポーネントはこの3シリーズに集約される。

一方、部屋内の壁や天井に埋め込んで利用するSneakyというシリーズもあり、さらにはもっとカジュアルに各部屋で音楽を楽しむミニマルな壁埋め込み型オーディオとして、Sekritというシリーズも存在する。プレーヤー(+アンプも内蔵する)の単価は25万円といったところだ。

LINNの強みは一貫して、加工技術精度の高さやアイディア溢れるメカニカル設計にある。細かな改良を続けながら高音質を追求し続け、LP12は現在も改良を続けつつ現行製品として継続されている。その実力は、同クラスの製品の中でも上位にある。その後、LINNは同じく金属加工技術と制振ノウハウなどのセンスにデジタルオーディオ技術を組み合わせ、「SONDEK CD12」という名作CDプレーヤーも1997年に発売している。

その一方で生活空間の中に音楽を溶け込ませる、肩肘を張らずに楽しめるオーディオ製品の開発にも昔から積極的だ。デジタルファイルで音楽を共有することが当たり前になってきた現在、家庭内で音楽を共有し、どの部屋でもすぐに音楽が流れるシステムは当たり前のものだが、LINNはアナログで各部屋をネットワークする時代から、こうした技術に取り組んできた。

LINNは英国王室御用達

さらにオーディオコンポーネントのサイズにこだわらない、LPジャケットサイズのコンパクトな製品を高音質(当時の彼らのコンパクト製品は、「凄味のある音」ではなく、「音楽的な愉しさ」を重視していたように思う)に仕立て、日本でも一気にファン層を拡大した。また、創業者が妻のために開発したと言われるオールインワンの高音質オーディオシステム「Classik」は、そうしたLINNのテイストに、よりカジュアルにオーディオに接する魅力を加えた製品だった。

蛇足だが、LINNは英国王室御用達として指定されている唯一のオーディオメーカーだ。そのうえ、英国自動車産業の中でも孤高の存在として輝くアストンマーティンに自動車用システムを提供しているメーカーでもある。

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