マクドナルド株主総会で何が語られたのか 報道陣シャットアウトで開催した総会の全容
―― 一般管理費を圧縮したと思っていたら、広告宣伝費・販促費が増えている。なぜこんなに利益が低いのか。
今村朗・執行役員(財務担当):広告宣伝費の増加は、上海での問題が発生して、食の安全への取り組みを広く世の中に理解してもらうために、追加的な広告宣伝をした。信頼を高めていくための重要な投資だ。上海問題を除いた経常利益は引き続きプラスになっている。
今年後半には健康メニューを発売
――マックは不健康な食品と思っている人が多い。ダイエット志向が強い客を取り込む商品の開発をぜひやってほしい。シニアからカネを引き出す取り組みをしてほしい。今まで目を向けていないターゲットに目を向けてほしい。
カサノバ:アイデアをありがとうございます。確かに、日本ではシニアや熟年の客が増えている。今年後半には、より健康的で栄養の高い商品を販売する予定だ。
――根本的な問題は執行体制にある。配られた資料には執行役員の説明がない。労務管理の説明もあまりない。機構の説明をしてほしい。
カサノバ:私の直属の部下には戦略部隊、マーケティング、財務、店舗開発、人事、フィールド担当がいる。ビジネスの回復のためには、経営陣を見直すことが大事。業績回復プランが完成した頃には、体制が今と変わっている可能性がある。
下平篤雄・次期副社長(営業担当):マクドナルドの店舗の組織は、お客様に満足していただくための組織。全国でFC2000店と直営1000店。いずれも現場の声が本社に届くように、本社の戦略が客に届くような組織を目指している。
――取締役会長に就任するラーソン氏は昭和31年生まれ。昭和48年に米国マクドナルドに入っている。16歳で入社したのか。現場からの叩きあげなのか。
ラーソン次期会長:確かに16歳からマクドナルドで働いている。最初の25年はクルー、店長、スーパーバイザー、フランチャイジーで経歴を積んだ。米国、欧州、中東、アジアで勤務してきた知識を活用して、日本でも成功を味わいたい。
――監査報告の中で、品質問題の責任について言及していない。管掌役員は誰なのか。ペナルティはないのか。
カサノバ:品質保証部門はサプライチェーン部門の下にある。品質・安全システムには自信を持っている。しかし、そのシステムに加えて、より安心してもらえるよう、追加して行ってきた。
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