ツイッター、表示回数の可視化で起きる重要3変化 フォロワー数が「力」の時代は終了する

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そこで生まれるのが、第1の変化である「実力の可視化」だ。

これまでツイッターでは、フォロワー数がアカウントの力を測る指標だとして、一般のツイッターユーザーやインフルエンサー、インフルエンサーに広告案件を依頼する広告代理店等の企業から考えられてきた。

しかし、インプレッション数が可視化されると、この物差しは過去のものになる。

ツイッターのサービス開始(2006年)から、まもなく17年。日本上陸も15年が経過する。老舗アカウントが先行者利益で集めたフォロワーのなかには、すでに休眠状態になっているものも多いだろう。懸賞プレゼントなどで集めたフォロワーも、アカウントの発信に興味があるとは限らない。ただフォローを外すタイミングを失っているだけ、なんてことも考えられる。

フォロワー数が多いながらも、さして各ツイートが閲覧されていないアカウントは、もはや「裸の王様」であり、ネットスラングで言うところの「オワコン(終わったコンテンツ)」とみなされる。それらが振り落とされた先には、「いま」必要とされているコンテンツや、その提供者が評価されるような未来が想像できる。

フォロワー数とインプレッション数、どちらも「影響力」の指標だが、今回の新機能実装には、そのギャップを埋める意図があるのではないか。事実マスク氏は、何年もツイートやログインをしていない、約15億の休眠アカウントのユーザー名を近日中に解放すると、12月9日に発表している。

マスク氏就任以前の2019年にも、休眠アカウントの削除方針が示されたことがあった。しかし、故人のアカウントが含まれ、ツイートが消えてしまうとの懸念がユーザーから寄せられ、いったん見送りに。そんな経緯もあって、改めて同様の懸念が示されている。

第2の変化「露出を増やす、新たな課金オプションの開始」

「はりぼて」が可視化され、メッキがはがれた先に、筆者は「露出を増やす、新たな課金オプション=費用を支払うことで、表示数を増やせるようにするサービス」が提供されるようになると予想している。

具体的には、検索エンジンや飲食店評価サイトで、検索結果や評価より上に、リンク先が表示されるようなイメージだ。すでにある課金オプションであるプロモツイートは、TL(タイムライン)上にツイートが混ざる形となっているが、より露骨に優遇されると言えばいいだろうか。これが、インプレッション可視化によって起こると筆者が考える、第2の変化だ。

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