ツイッター、表示回数の可視化で起きる重要3変化 フォロワー数が「力」の時代は終了する
SNS上で影響力のある人が自身のアカウントで、企業の広告案件を請け負う「インフルエンサーマーケティング」は、今やSNS上では定番の手法だ。だが、インフルエンサーマーケティングにおいて、場所を提供するツイッターのようなプラットフォーム企業には、直接の利益が発生しないことも多い。ツイッターにお金を払うことで、ツイートをより拡散させるプロモツイート機能は、影響力のある人の投稿では、必ずしも必要とされないからだ。
しかし、もしツイッターが飲食店検索サイトや美容室検索サイトのようなスタイルになれば、広告料を支払わないアカウントの投稿は、相対的にインプレッション数が下がると考えられる。その結果、今まではツイッターにお金を支払っていなかったインフルエンサーも、ツイッターの力を借りざるを得なくなる。
現在、ツイッターを立て直すうえでマスク氏に課せられた命題は、収益モデルの強化だ。「数百万フォロワー」を威光にインフルエンサーたちが多大な利益を得ながら、プラットフォーム側にメリットがない現状の改善に、目を付ける可能性はあるだろう。
インプレッション数こそが「真の実力」だとなれば、そこに上乗せできるオプションに飛びつきたくなる人も多いはず。また、インフルエンサーでなくても、承認欲求を満たしたいネットユーザーは珍しくない。そこには金脈が眠っている。
そして、すでに布石は、打たれている。マスク氏は11月、サブスクリプション(継続課金)サービス「Twitter Blue」(月額8〜11米ドル、日本では未提供)の特典に、これまでツイッター社の審査が必要で、限られたアカウントにしか付与されていなかった「認証済みアカウント(バッジ)」を追加した。
これまで「カネで買えなかった」ものでも、収益増のためなら課金制での導入も辞さない。そう考えると、課金による露出増も、あながち非現実的な話とも言えないのではないか。なお、従来からの青いバッジに加えて、企業向けは「ゴールド」、政府機関は「グレー」のチェックマークにするなど、さらなる差別化も行われている。
第3の変化「広告出稿のテコ入れ」
ユーザーからBtoCの課金を強化すると同時に、企業からツイッター社へBtoBの「広告出稿」にもテコ入れが行われるだろう。これが、インプレッション可視化によって起こると筆者が予想する、第3の変化だ。
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