新聞・TV「政府の言いなり」の何とも呆れる実態

まるで大本営発表、コロナ禍で露呈した歪み

「政府の正式発表がないと報じられない」という状況が続けば、都合の良い情報だけを垂れ流すことにもなりかねない(写真は緊急事態宣言を発出する安倍首相を映し出す街頭スクリーン。東京都内で4月7日撮影、ロイター/Naoki Ogura)

「お上のお墨付きがないと、今がどういう状態なのか、判断できない」「感染が確認された事業者自身がサイトで発表しているのに、行政が発表していないと掲載しない」――。

新型コロナウイルス感染拡大に関するニュースが大量に飛び交うなか、報道機関の働き手からこんな声が続出している。日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)が実施したアンケートで判明した実態だが、まるで第2次世界大戦の時代を彷彿とさせる“令和の大本営発表”とも呼べる事態ではないか。研究者らの厳しい見方も交えつつ、大メディアがほとんど報じなかったMICアンケートの内容を伝える。

「上から下まで忖度と自主規制。事なかれ主義」

MICは新聞労連や民放労連などを束ねた組織で、マスコミ系の労働関係団体として日本最大規模になる。今回は2月下旬から「報道の危機アンケート」を実施し、214人から有効回答を得た。このうちネットメディアやフリーランスなどは15人しかおらず、回答者の多くは新聞や放送の現場で取材・報道に携わる人たちだ。

「あなたが現在の報道現場で感じている『危機』について教えてください」

その問いに対する自由記述での回答からは、さまざまな“危機”が見える。

・国会論戦を放送しなかったり、あるいはやっても短い。官邸記者が政権に都合の悪いニュースを潰したり、番組にクレームをつける。これは日常茶飯事。官邸記者が政権のインナーになっている
・ニュースソースが官邸や政権であること。その結果、番組内容が官邸や政権寄りにしかならない。彼らを批判し正していく姿勢がまったくない。というか、たとえあったとしても幹部が握られているので放送されない
・上から下まで、忖度と自主規制。事なかれ主義。サラリーマンばかりで、ジャーナリストはいない
・「過剰な忖度」であると現場の制作者も中間管理職もわかっていながら、面倒に巻き込まれたくないとの「事なかれ主義」が蔓延している
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