電気代「原油価格マイナス」でも安くならない訳

ガソリンは多少安くなっても、そう甘くはない

日本は火力発電に頼っているので電気代も安くなりそうなものですが……(写真:freeangle/PIXTA)

「コロナの影響がこんなところにも来たのか!」と思った人も少なくないでしょう。ニューヨークの取引所における原油価格の代表的な指標であるWTI原油先物価格が4月20日の終値で1バレル=マイナス37ドル63セントと史上初めてマイナスになりました。

マイナス金利という言葉にようやく慣れてきたと思ったら今度は「原油価格マイナス」です。昨年は日本の国債もマイナス利回りでした。マイナス金利0.2%の世界では1000億円借金すれば2億円金利がもらえるわけです。原油価格がマイナス37ドルなら原油を5万バレル買うことを計算してみると、原油がただでもらえるだけではなく一緒に2億円もらえます。おかしな話ですよね。

コロナでみんなこれだけ生活が苦しいのですから、借金して2億円、原油を買って2億円、計4億円を手に入れてあとは楽勝人生なんてことになればいいのですが、残念ですがそれは少なくともわたしたち一般人にはできないのです。なぜなのでしょう。

マイナス金利で借金ができるのは先進国の政府のように信用が最高レベルの場合だけ。一昨年に財務省が「マイナス額面の国債の発行で国が1.5兆円の増収になる」という計画を発表しましたが、要するに国だけがそういう立場を享受できる。一般のわれわれは超低金利でお金を借りることはできますが、それでもやっぱり金利はかかるのです。

原油価格マイナスになった2つの要因

では今回の原油のマイナス価格はどうなのでしょう。実はこの現象はふたつの要因が重なっておきた非常にレアな経済現象でした。新型コロナの影響で世界的に燃料の使用が減ってしまっているという需要サイドの要因がひとつ。自動車で外出する人が世界全体で減っていることをイメージすればこれはわかりやすい話ですよね。

そしてもうひとつはサウジアラビア、ロシア、アメリカといった産油国の間で減産の話し合いが頓挫して原油の産出量が減っていないという供給サイドの問題です。減産して価格を維持したいアメリカ、増産してアメリカのシェールオイルに打撃を与えたいロシア、調整に乗り出すも基本的には生産量を維持したいサウジアラビアの思惑から調整が難しかった。そのため原油がどんどん生産されていくのですが、それを買ってくれる人がいない。

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