電気代「原油価格マイナス」でも安くならない訳 ガソリンは多少安くなっても、そう甘くはない

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ではもっと大口顧客だったらなんとかならないのでしょうか。仕入れる原油価格がマイナスになれば、ガソリン価格が1リットル0円になったり、東京電力なら「電気代が1カ月はまるまる無料です」なんていうキャンペーンが起きたりしないのでしょうか。

電力会社に勤める知り合いに真顔で聞いてみたのですが、結論からいうとそこまでのメリットは最大手の大企業でもなさそうです。

たとえて言えば今回のマイナス価格は、わたしたち消費者がドン・キホーテの前を通りがかったら「賞味期限間近のため50円!」というカップ麺を見かけたようなものだといいます。もっと極端に言えば「賞味期限今日までのカップ麺なので1ケース持ち帰ってくれたらお礼に現金100円あげるよ」という売り方に近いでしょうか。

確かに通りがかった人にとってはラッキーですが、大企業の購買担当者がその前を通りかかったとしても業績には些細な影響も及ぼさないでしょう。せいぜい購買部の社員から「部長、ありがとう。カップ麺のおかげで残業する気になりました」ぐらいの感謝の気持ちが返ってくるぐらい、大企業の事業規模からすればわずかな話です。

エネルギーの調達は長期予約をしている

それよりもちゃんと電気代を引き下げる経済現象を考えると、この先の原油価格が長期的に安定して下がっていくことが鍵です。

実は日本の電力会社の電気代が原油価格マイナスでも下がらない最大の理由は、こういったインフラ企業はエネルギーの調達についてかなり先まで長期予約をしているからです。では長期的な原油価格の見通しはどうなのでしょうか。

WTIの5月限の原油先物価格がマイナスになったのは4月20日と21日の二日だけでその後の価格はプラスに戻しています。ただ原油価格全体としては供給過剰で下降基調にあるのは間違いありません。コロナが始まる前の年初は1バレル=60ドルだった原油相場は現在では1バレル=20ドル前後で推移しています。

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