自粛しない人も「通報する人」もどうかしてる訳

市民が連帯せず責任なすりつけ合う地獄絵図

権力者が、市民に「自粛」の相互監視と摘発という「ミニ権力者」としての役割を委譲したようなものだ(写真:kai / PIXTA)

女優でタレントの岡江久美子さんが新型コロナウイルスによる肺炎のため亡くなった。日本中が悲しみに包まれている中、岡江さんが亡くなるまでの経緯について波紋が広がっている。

報道によれば、岡江さんは4月3日に発熱。医師から4~5日様子をみるように指示されたことから自宅で療養していた。しかし、6日の朝に容体が急変し、都内の病院に緊急入院したという。その後、ICUで人工呼吸器を装着。PCR検査の結果で陽性が判明した。

これに関連して、岡江さんの娘である女優の大和田美帆さんが前日にTwitterで「コロナ、怖いんです」などと投稿していたことが話題になったのだが、この投稿で引用していたのが埼玉県で自宅待機の男性が死亡したニュースの記事であった。

この男性は4月11日に発症、16日にPCR検査で感染が確認された。県内で入院できる病床が逼迫していることを理由に、保健所から病床が空くまで自宅待機を指示されていた。基礎疾患がなく軽症だったが、20日に「呼吸が苦しい」と体調悪化を訴えたため、翌日入院させる手続きに入った。だが、その日のうちに容体が急変し、病院に搬送されたが死亡した。同様のケースが埼玉県で相次いでいることがわかっており、23日に別の70代の男性が自宅待機中に容体が急変し、搬送先の病院で死亡したことが報じられた。

「4日ルール」「軽症者の自宅待機」でいいのか

このような事態の悪化を受けて、これまで政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が掲げてきた「4日ルール」と「軽症者の自宅待機」を疑問視する声が挙がっている。最近、警察庁が不審死として取り扱った遺体のうち、東京など5都県で15人が新型コロナウイルスに感染していたことを明らかにしたタイミングと重なったこともあり、ソーシャルメディアなどでは「専門家会議は謝るべき」「ルールの撤回を」という批判が多数シェアされた。

「4日ルール」とは、新型コロナウイルス感染症についての相談・受診の目安とされていた「風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く人」のことだ。岡江さんは発熱の症状が出て3日目に容体が急変しており、仮に4日ルールに従わされていたのだったとしたら残酷な話である。「高齢者・糖尿病、心不全、呼吸器疾患(COPD)など基礎疾患や透析治療を受けている者・免疫抑制剤や抗がん剤治療を用いている者・妊婦」の場合は「2日以上」となっていたからだ。ここへ来て専門家会議も慌てて方針転換をする体たらくになっている。

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