こうした最中、首相官邸報道室は4月上旬、官邸記者クラブに対し、新型コロナウイルスの感染防止策として、首相会見に出席する記者を1社1人に限るよう要請した。海外メディアやフリーランスの記者は10席しか割り当てがなく、希望者が多いと抽選となる。MICによると、報道室による要請以前、会見場には130程度の席があったが、現在は29席に絞り込まれている。平日に1日2回開かれる官房長官会見についても、同様に記者数に制限が設けられているという。
コロナ禍での官邸取材について、MIC議長の南彰氏(新聞労連委員長、朝日新聞労組出身)はこう話す。
「(緊急事態宣言で)政府に権限を集中させて、その権限が適切に行使されているかをチェックしなければならないときに、チェックする術(すべ)が制限されてしまっている。(官邸会見での記者数の絞り込みには)何社か反対したようですけど、官邸側の要請が強く、『人数制限はのめない』は多数意見にならなかった。危機に便乗した取材制限につながらないようにするは、どうしたらいいか。そこが今、最大の課題です」
「医療崩壊と書くな」と言われて
コロナ問題に関する回答では、見過ごせない記述も並んでいる。
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