"昔話ばかりする人"が実は「老けない」という衝撃 「脳トレ」より効果がある「ドーパミン」の作り方

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また、自分自身について見つめ直す機会ができることで「メタ認知」を立ち上げるという意味でも有効です。ちなみに、メタ認知とは自分自身に対して客観的な視点から観察し、評価する能力のことです。

こうした回想法を用いた脳科学的な観点からおすすめしたいのが、幼少期や若いときにやっていたことをもう一度やってみることです。さらに付け加えると、半永久的に終わりが来ないものがいいでしょう。

「子どものときに昆虫採集をしていた」
 「若いころはバンドマンでギターを弾いていた」

もし、それが歳を重ねて離れてしまっていたら、それはもう一度脳の若々しさを取り戻すチャンスだと考えてください!

夢中になった時、脳の老化は食い止まる

では、なぜそうした幼少期や若いときにやっていたことをもう一度やることで若々しい脳を手に入れることができるのか。それは、「三つ子の魂百まで」ではありませんが、幼少期や若いときに好きでやっていたことは、たとえ何歳になっても好きであり、楽しく取り組めることが多いからです。

シニアの皆さんはビートルズの世代だと思いますが、ジョン・レノンはこんな名言を残しました。

「Life is what happens to you when you're making other plans.(人生とは別の計画を立てているのに起こる事柄である)」

これは、人生とは他の計画を練っている間にどんどん過ぎてしまうという意味が込められています。

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そこで、「今さら……」「そんなのムリ」などと思わずに、とにかくタイムマシンにでも乗ったつもりでやってみてはいかがでしょうか。シニアになった今だからこそ、より楽しめるということもあるかもしれません。

それに加えてもうひとつ、長生きをしていつまでも脳を若々しく保つために必要なこと。それはずばり、生きるうえでの「意欲」です。

歳を重ねても元気な人生の大先輩に時々お目にかかります。そうした大先輩に共通しているのは、生きるということに関する意欲の強さ、あえていえば「貪欲さ」であるように思うのです。歳を理由にあきらめず、チャレンジしましょう!

歳を理由に遠慮せず、アクティブになりましょう! 自分が本当に夢中になれることを追求し、本気で取り組んでみましょう。皆さんが本気になったとき、脳の老化を食い止め、若々しい脳を手に入れることができているはずです。

茂木 健一郎 脳科学者

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もぎ けんいちろう / Kenichiro Mogi

1962年東京生まれ。東京大学理学部、法学部卒業後、同大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て現職。「クオリア」(感覚の持つ質感)をキーワードとして脳と心の関係を研究するとともに、文藝評論、美術評論などにも取り組む。2006年1月~2010年3月、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」キャスター。『脳と仮想』(小林秀雄賞)、『今、ここからすべての場所へ』(桑原武夫学芸賞)、『脳とクオリア』など著書多数。

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