昇進をめぐる争いというと、階層の上のほうで起きることと思われがちかもしれませんが、底辺でも起きると著者はいいます。目的は、最下層を確認すること。階層の末端のチンパンジーは、いつも「おこぼれちょうだい」の身分なので、食糧不足になれば真っ先に餓死してしまいます。階層の末端にいることの危険性は少なくないのです。
人間社会において、「末端にいること」への不安は大きいものです。会社内での立場が弱ければ、仕事を無理やり押しつけられたり、損な役回りを強いられることが多々あるからです。
そのため、自分より下の人間をつくることで精神的な安定を求め、自己を防衛しようするわけです。
明治大学教授で「認知科学」が専門の著者は「本書によって多様な人々が活躍でき、快適に生きる職場環境が実現されることを願っている」と記しています。「ざんねんな人」と無理なく共存するために、活用してみてはいかがでしょうか。
・人間には25 タイプある
・人間の組織もチンパンジーと同じ階層社会
・最下層は誰か? という争いもある
(81ページより)
「やることが多いと、少しでも多くのことを少しでも短時間でこなしたいと思ってしまいがち。けれど結局は、自分にできることを少しずつやっていくしかない。スモールステップよりもさらにブレイクダウンし、赤ちゃんが歩くくらいのベビーステップで臨むことが大切」。著者はそう主張しています。
1日単位で見れば小さな成長でも、やがては大きな成果になるはず。つまりそれが、習慣の「秘密の力」だということです。本書ではそうした観点に基づき、さまざまな〝習慣〟のあり方を提示しているのです。
人間関係で大切な縁をつなぐ挨拶
小さな積み重ねが大切なのは人間関係も同じ。たとえばいい例が、「自分から先にあいさつする」ことです。「挨拶」という漢字には「心を開いて相手に迫る」という意味があるそうです。つまり、自分からオープンマインドで相手に近づくのが上手なあいさつだということです。とはいえ、ちゃんとあいさつできない社会人は散見されるもの。そこで著者は、「縁をつなぐことができる上手なあいさつの方法」を紹介しています。
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