思考法、勉強法、マネジメント、チーム力、営業力などの仕事術からマナー、話し方などのコミュニケーション、ビジネス教養から健康法――。書店に行けばたくさんの本が並び、Amazonで検索しても無数に見つかる。その中から一体何を選べばいいかわからないと日々思っている人は少なくないはず。
年間1000冊、10年間で1万冊以上のビジネス書を読んでいるプロ書評家の印南敦史氏が「本当に役立つ本」を厳選した『いま自分に必要なビジネススキルが1テーマ3冊で身につく本』から、「人間関係」のお薦め3冊に関する部分を一部抜粋、再構成してお届けする。
『職場のざんねんな人図鑑 やっかいなあの人の行動には、理由があった!』(石川幹人著、技術評論社)
どんな職場にも、「ざんねんな人」がいるものです。しかし、人間の行動や心理を理解できれば、職場環境も改善されるはず。人間を全25属に分類している本書は、そうした理想を目指して書かれたのだそうです。
たとえば分類された25属のなかに、すぐマウントをとりたがる「マウント属」がいます。
他人が評価されるのを嫌い、自分の自慢話をする。他人の評価を下げ、他人より上位にいようとする。しかも思ったような評価を得ることができなかった場合、機嫌を悪くしたり、いつまでも人に突っかかったような話をしたりすることもあるので厄介なタイプです。
人間関係はチンパンジーの階級社会と同じ!?
マウント属は、他人を支配することで自分の立場をよくしようとする戦略をとるもの。著者はそれを、「チンパンジーのような上昇志向のあらわれ」だと表現しています。
「チンパンジーの群れは、ボスを頂点にした階層集団です。食料の獲得も配偶者の選択も、上位の個体が優先されます。上の命令に下が従うのが基本です。その仕組みは、敵が襲ってきたときに首尾よく反撃するなど、素早い対応が必要なときには功を奏します。しかし一方、上下関係を決定するためのもめごとが集団内で終始起きる問題が発生します。ボス争いに至っては熾烈をきわめる戦いになり、有能な個体が失われるなどの損失も大きいです」(168ページより)。
迅速な意思決定が求められる企業においても、チンパンジーのような階層性が取り入れられています。たとえば、役職による上下関係。昇進をめぐる探り合いや見せつけあいは、しばしば起こっているはずです。
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