お金は「感謝のしるし」
「お金はあくまでも手段にすぎない」「お金は淡々と合理的に扱う」「お金の運用は自分で行う方が簡単で安心」、このようなお金に関するシンプルな結論を導くのが本書です。著者は資産運用を専門とした著名な経済評論家。まず興味深いのは、お金を「感謝のしるし」と定義づけていることです。
お金が入ると、次はそれを誰かのために使うことができます。誰かが自分にしてくれた「いいこと」に対し、「感謝のしるし」を支払い、それを受け取った人は、また違う別の誰かに支払うわけです。
このように、「感謝のしるし」として社会をぐるぐるとめぐっているのがお金だというのです。
つまり、「いいこと」と「感謝」との関係が、目の前の具体的な誰かのためだけでなく、大きく社会に広がっているのが、現在の経済というシステムだということ。
お金を使いたければ、働いて貯めてから使うのが原則。しかし、手元にお金がないなら、「借金をする」選択肢もあります。ただし、お金をただで借りることは不可能。たとえば、年利10 %で50万円を1年間借りると、1年後には金利がプラスされ、55万円を返済しなければなりません。
いわば借金とは、「金利を払って時間を買う」こと。でも、忘れてはならないのは、「借金の時間の値段は必ずしも安くない」という点です。カードローンやキャッシングに投資のようなリスクはありませんが、その代わりに確実に損をする借金だということです。
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