「成長が止まる人」は変わることを避けすぎている 変化することでしか自分を成長させられない
天才集団と言われるプロ棋士の世界にあって、異次元の実績を持つ棋士がいる。「世界戦優勝。囲碁界初の同時5冠達成。7大グランドスラム達成。総タイトル獲得数41。史上最高勝率で1000勝達成」の肩書を持つ張栩(ちょうう)九段だ。
ふだんの彼は、驚くほどおだやかだが、ひとたび勝負となると、斬れば血の出るような鋭さと強さで対峙する。「直感は経験によって磨かれる」「負けにくいことは勝負を焦らないこと」「効率のいいものは美しい」……。実戦を勝ち抜きながら身につけてきた、勝つ技術、負けない技術は、われわれの仕事にも、人生にも効く滋養を備えている。今回は著作の『勝利は10%から積み上げる』から、「成長するとは変わること」をご紹介します。
自分を変えることによってしか成長することはできない
囲碁とは、人がその一生を賭けて追究しても、決して究め尽くすことのできないゲームです。だからこそ江戸時代から現在に至る400年以上も棋士という職業が続いてきたわけで、今後も途絶えることはないでしょう。
囲碁の神様には、アマチュアの皆さんも我々棋士も五十歩百歩、どんぐりの背比べと映るはずです。それくらい棋士といえども、何も分かっていません。
だからこそ、自信を持つと同時に「自分はまだまだ未熟だ」という謙虚な姿勢を持つことが大切です。「自分はもう充分に分かっている。だからこれ以上学ぶことはない」などと思ったら、その瞬間に成長は止まり、それどころかひたすら下降の道を辿ることになるでしょう。
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