「成長が止まる人」は変わることを避けすぎている 変化することでしか自分を成長させられない

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「自分にはいくらでも学ぶべきことがある」。こう考えることができれば、その人は今後も成長を続けることができますが、その際に重要なことが、「自分が変わることを恐れない」ことです。

今そこそこにやれている、もしくは充分な成功を収めているとしましょう。すると人間の心理として、自分に変化が訪れることを警戒するようになります。今手にしている成功を失いたくないからでしょう。

けれど、もし「さらに成長したい」と思っているなら、自分が変わることを恐れてはいけません

変化することは確かにリスクを伴いますが、自分を変えることによってしか、自分を成長させることはできません

リスクにあえて挑戦し、過去の自分に打ち勝つことのできた人だけが、さらなる成功をつかむことができるのです。囲碁界でも歴史に名を残してきた名棋士たちは、常に進化を求めて自らの古い殻を打ち破り、自分の碁を創り上げてきました。

このままでは成長はないと考え、変わることを選んだ

僕の場合で言えば、王銘琬(おうめいえん)先生との第五十六期本因坊戦七番勝負(2001年)が、大きな転機でした。

僕は3勝4敗で敗退したのですが、今の自分から見ると、技術的な面ではっきりと未熟な部分がありました。早く強くなるために「答えの出る中盤および終盤での能力を鍛えよう」とそちらに力を注いできたので、序盤構想の分野で劣っている面があったのです。

七番勝負は2日制で持ち時間が8時間という、いちばんの長丁場です。そして持ち時間が長くなれば長くなるほど序盤が重要となってくるのですが、僕はそういう碁に対する勉強をしてこなかったので、この面での弱さが出ました。序盤、自分のパターンにはまらないとうまくいかないという偏りがあったのです。

また銘琬先生の碁が、他に類を見ないほど独特で、厚みや模様を重視する、僕のいちばん足りない部分を得意とする碁でした。

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