「配色センスが残念な人」にありがちな思い込み5つ 目立たせたい=「赤」がいいとも限らない

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多くの人々が囚われがちな「色に対する思い込み」とは?(写真:Rhetorica/PIXTA)
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仕事での資料制作は、誰もが避けて通ることのできない必須業務だ。たとえばパワーポイントでプレゼン資料を制作するなら、「テンプレートをそのまま使えば、何とかなるだろう」と思いたいところだが……。

実のところ、ダウンロードできる多くのテンプレートの配色は、その汎用性を高くするために「シンボル的に用いる3色+ベースカラー(白・黒・グレイやそれに準ずる色)」で構成されている。この範囲だけで資料を完成させようとすると、「項目を増やしていきたいのに、色が足りない」または「なぜかガチャガチャして煩雑な印象になる」という問題に直面する。

今回は、多くの人々が囚われがちな「色に対する思い込み」を紹介し、それを検証・リカバリーする手段を、拙著『配色アイデア手帖』より紹介したい。

思い込み・その1

目立たせたい部分は「赤」にしておけばいい

資料全体を俯瞰した時、他に強い色を使っていなければ「赤」が効果的に目立つことは事実だ。多くの人はこれを無意識かつ自動的にやっている。

色の見え方には個人差があり、さまざまな色覚特性があるため、昨今では「多くの人々が等しく情報を認識できる配色」が求められている。NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構のHPによると、日本人では男性の約5%(20人に1人)、女性の約0.2%(500人に1人・ただし保因者は約10%)が色弱とされ、赤の色相を見た時に「目立つ」と感じない人がいることを忘れてはいけない。ビジネス資料のすべてにおいて、厳格なカラーユニバーサルデザインが求められるわけではないかもしれないが、「目立たせたい=赤を使う」を過信することは避けたほうがよいだろう。

(外部配信先では画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

(出所:『配色アイデア手帖』)
多くの人にとっては「赤」の色相がアクセントカラーとして感じられる(出所:『配色アイデア手帖』)
次ページ強い色を複数同時に使用した場合、赤はそれほど強く感じない
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