コーヒーを「ブラック」で飲む人が知らない"真実" 酸味を嫌う日本人が多いのには実は深い経緯が…
── そうだったんですね……。コーヒーのいい香りがすると思っていました。
上野:コーヒー豆が光、酸素、湿気にさらされて劣化が進み、味の質が落ちていることに気づける日本の消費者はまだまだ少ないですよね。街中で感じるコーヒーの香ばしい香りは焙煎によるもので、本来のコーヒーの香りが失われていることも多いです。コーヒー豆本来の香りというのは、チョコレートや穀物、キャラメル、スパイスなど、豊かで華やかな香り。日本人は優れた味覚を持っているのに、知らないためにコーヒー選びを間違えていることも多いのです。だからこそ、基礎知識を身につけて美味しいコーヒーを楽しんでほしいですね。
── ところで、コーヒーの淹れ方にも色々あると思いますが、どんな特徴があるのでしょう?
上野:抽出方法は代表的なものでドリップとエスプレッソがあります。ドリップは紙や布のフィルターに挽き豆を入れ、お湯をゆっくりと回しかけて蒸しながら抽出する方法。紙は油分が濾されてさっぱり仕上がりますが、布は目が粗く油分も一緒に抽出されるのでまったりとした味わいになります。
一方で、エスプレッソは挽いたコーヒー粉に9気圧以上の圧力をかけて短時間で抽出する方法です。旨味が凝縮されたなめらかな口あたりのコーヒーになります。ドリップもエスプレッソも手作業の場合は技術が必要になりますが、マシンであれば味や香りも安定します。
ネスプレッソのコーヒーメーカーはカプセル式で、遠心力を使って抽出する「ヴァーチュオ」と最大19気圧の高圧力で抽出する「オリジナル」の2種類です。どちらも鮮度が守られた高品質なコーヒーをいつでも簡単に淹れることができ、忙しい方や様々な味わいのバリエーションを楽しみたい方などにもおすすめです。
● 日本の街中で提供されるコーヒーでも鮮度が保てていないことが多い
● コーヒー豆本来の香りはチョコレートや穀物、キャラメル、スパイスなど、豊かで華やかな香り
● 主なコーヒーの淹れ方はドリップとエスプレッソ。どちらも手作業で美味しく淹れるには技術を要する
コーヒー豆にはどんな種類がある?
── コーヒーの豆には様々な種類がありますが、味わいの違いなど知っておくべき基礎知識を教えてください。
上野:まず飲用として主流のコーヒーは、アラビカ種とロブスタ種という2大種でほぼ占められています。アラビカは華やかな香りと酸味が特徴で、世界のコーヒー生産量7割を占めています。一方、ロブスタはより力強い味わいで苦味やコクを感じやすい種で、生産量は全体の3割ほど。栽培期間は約5年で、種まきからコーヒーチェリーの収穫まで、花をつけてからはアラビカ種が6〜9カ月、ロブスタ種が約11カ月ほどです。