コーヒーを「ブラック」で飲む人が知らない"真実" 酸味を嫌う日本人が多いのには実は深い経緯が…

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ネスプレッソ コーヒー アンバサダー、上野里佳さん(写真:岸本咲子)

── そもそも日本では、コーヒーをブラックで飲むのが基本ですよね。特に男性はその傾向が強いように思います。

ブラックか、ミルクコーヒーか?

上野:日本では第二次世界大戦後に質の悪いコーヒーが流通し、嫌な酸味に悩まされました。それでもなんとか美味しく飲もうと、酸味を感じにくい深煎りが主流に。ただ、深煎りは上手に焙煎しないとえぐみが出るので、布フィルターを使ったネルドリップで抽出する喫茶店文化が流行しました。そこからブラックの濃いコーヒーが好まれるようになったのです。

その経験から、日本人は今でもコーヒーの酸味はあまり好まないようです。あとはブラック=男らしさというイメージが定着していて、カプチーノやカフェオレが飲みたくても恥ずかしいと思う男性が多いようです。ヨーロッパやアメリカなど世界のマーケットと比べても、砂糖なしのブラックで飲む人が圧倒的に多いですね。

(写真/NESPRESSO)

── 確かに、カプチーノやカフェオレは女性の好きな飲み方というイメージがあります。世界では違うのでしょうか?

上野:イタリアでは男女とも朝にカプチーノを楽しみますし、砂糖をたっぷり入れたエスプレッソが大人気。アメリカやカナダも砂糖を入れて楽しまれる方が多いようです。ミルクの飲用が盛んなオーストラリアでは、エスプレッソに同量のスチームミルクを加えたピッコロという飲み方が人気。イギリスでも、エスプレッソ、スチームミルク、フォームミルクを3層に重ねたフラットホワイトをはじめ、色々な方法でミルクを入れて楽しまれています。

── 国によって色々な飲み方があるんですね!

上野:色々な楽しみ方を知っている方が、味のレパートリーが広くてグルメだなと思います。読者の皆さまも性別のイメージに捉われず、ぜひ色々な飲み方を試してみてほしいと思います。コーヒー豆の種類によってはミルクや砂糖との相性も違ってくるので、まずは好きな味のコーヒーを探して、飲み方を広げてみてください。今はオーツミルクや豆乳、アーモンドミルクなども流通していますし、可能性は無限大です。

【POINT】
● 日本人は世界の中でもブラックで飲む人が圧倒的に多い
● 日本では戦後、質の悪いコーヒーが出回ったことで、その対策として酸味を感じにくい深煎りが主流になった
● 世界では砂糖やミルクを入れて様々な楽しみ方をしている
次ページ日本にはまだコーヒーの知識が浸透していない
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