コーヒーを「ブラック」で飲む人が知らない"真実" 酸味を嫌う日本人が多いのには実は深い経緯が…

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── コーヒーの味の話を伺いましたが、日本人はコーヒーをよく飲むのに味や香りなどについて語れる人は意外と少ない印象です。

上野:確かに、ワインなどに比べると知識が浸透していないですね。コーヒーを楽しむ要素には、酸味苦味甘み香り、そしてコクがあります。なかでも決め手になるのが、香り。どれだけ美味しい銘柄のコーヒーでも、香りを失えば美味しさは半減します。鮮度が下がると酸化が進んで香りが消え、悪い酸味も出てしまうので、コーヒーは鮮度が命。挽いたコーヒーの粉は2日間で風味の1/3を失うと言われています。

コーヒーを楽しむ5つの要素。中でも決め手は?

── 2日で1/3! 自宅で1袋飲み切るのに2週間近くかかってしまいます……。

上野:酸化を防ぐには、酸素、光、湿気を避けることが大切です。袋に入ったコーヒー豆や挽き豆は、都度袋をすぐに閉じて冷蔵庫で保管し、1週間くらいで飲み切ってください。1杯につきコーヒー粉10gが目安ですから、1度にたくさん買わず、計算して買うのがおすすめ。個包装のドリップコーヒーも便利ですね。ネスプレッソでは鮮度を守るため、1回分(挽いたコーヒー粉5〜6g)ずつアルミニウム製のカプセルに入っていますので、鮮度管理の心配も不要ですし、毎回好きな種類を選べます。

ネスプレッソの「ヴァーチュオ」向けカプセルコーヒー(写真手前)

── なるほど。そして先ほど、酸味に嫌な思い出がある日本人という話が出ましたが、いい酸味は味わいの魅力でもあるのですね。いい酸味と悪い酸味の違いを教えてください。

上野:酸っぱすぎると感じたら、悪い酸味の可能性があります。喉を通る時にザラザラ、イガイガしたり、段ボールのような臭いがすることも。ドリップされてホットプレートに置かれているものは時間が経つと酸味が強くなっていきます。一方、良い酸味とは、口あたりがなめらかでクリアです。メキシコなどでは、酸味がないとコーヒーじゃないと感じる人も多く、ライムを入れてより酸味を引き立てる飲み方もあります。

【POINT】
● コーヒーを楽しむ5大要素は酸味、苦味、甘み、香り、コク
● 挽いたコーヒーの粉は2日間で風味の1/3を失う
● 酸化を防ぐには、酸素、光、湿気を避けることが大切
● いい酸味は口あたりがなめらかでクリア

── ドリップされたものも酸化するとは!

上野:実は日本で提供されているコーヒーの多くは残念ながら鮮度を保てていないことも多いです。抽出して時間が経ったものは酸化しますし、そもそもコーヒー豆や粉の段階で酸化していることもあります。生豆を販売する専門店では透明のガラスケースにディスプレイしている場合が多く、光による酸化も気になります。挽きたてコーヒーをうたうお店でも、時々コーヒー豆が入っている透明のケースがコーヒー豆の油でベトベトになっていたりします。そのようなコーヒー豆は、鮮度が失われている可能性が高いです。

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