東大「推薦入試」小学生でも意外に解ける納得の訳 求められているのは「知識」で解くことではない

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「自立するしゃもじ。ほんの少し持ち手の下を大きくするという形で手を加えただけで、自立して使いやすくなるということを発見した人はすごいと思う」

というように、自分の周りにある身近なものに対して「独創的だ」と考えて答えを作った人が多かったのです。

あるいは、形のあるものではなく形のない概念を答えに選んでいる人もいました。

「『女子会』という概念。女子だけでもご飯会を開いて飲みに行ってもいいという概念を作ったことで、女性が居酒屋に行くハードルが下がり、居酒屋も儲かるようになった」

「時計。時間という概念を作り出した発明であり、人との待ち合わせの時間や、会社や学校のスタートの時間や終わりの時間を決められるようになったという点で、今の社会の基盤になっていると思う」

なんて答えを作る人もいました。このように、発明や発見といっても言葉や概念であってもいいわけですね。この問題は、普段から、日常生活の中で「これってすごいよな」と考える目を持って生活しているかどうかが評価される入試だったといえるでしょう。

もう1つのポイントは「工学部」の問題であること

そしてもう1つ、この問題を考察するうえでポイントになるのが、この問題が「工学部」で出題された問題であるということです。

例えば、みなさんだったらどっちの生徒の解答を評価しますか?

A:洗濯機。洗濯機ができる前は、女性は川に洗濯にいかなければならなかった。洗濯機ができたおかげで、多くの人が家の中で洗濯できるようになったといえるので、その点で素晴らしい発明だといえる。
B:遺伝の法則の発見。遺伝の法則は、メンデルという人物によって完成されたが、メンデルはアカデミックな分野に精通した人間ではないところから、独学で理論を完成させた。その点で素晴らしい発見だといえる。
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