フィット改良「e:HEV RS」乗ってわかった進化 4代目マイナーチェンジで走り激変、安全性強化も

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ホンダ・フィット「eHEV RS」のエンジンルーム
エンジン出力を向上させながら、ハイブリッドシステムも出力アップさせた(筆者撮影)

最大トルク値は変更はないが、6000回転時点でも120N・m以上のトルクを発揮し続ける。よって、高回転域を多用する高速道路の合流シーンや登坂シーンでの発電量が増えたことがわかる。

つぎに、走行用と発電用(シリーズ式ハイブリッドは2モーター式)の両モーター性能を強化した。走行用モーターは109PS/253N・mから123PS/253N・mへと出力を向上。こちらも最大トルク値は同じだが、最大トルクを発生した後もトルクの落ち込みが少なく、加速力を維持しやすい特性になった。

発電用モーターは95PSから106PSへと11PS向上させたことから、発電量の増加はもとより、減速時に運動エネルギーを回収して2次バッテリーを充電する回生ブレーキ量も増えている。

ホンダ・フィット「eHEV RS」の内装
水平基調のダッシュデザインと広い視界

ハードを活かすソフト分野では、アクセルの踏み込み操作から約0.2秒後に発生する躍度(連続する加速度)発生ポイントから、走行用モーターの反応を向上させ、同時に駆動力を約10%程度高めた。制御によって加速に伸びを加えたので、アクセルペダルを10秒以上、踏み続けた場合であっても、より高い加速Gが持続するようになった。

また、フィットにおけるe:HEV導入当初からの制御機構である「ステップアップシフト」も、エンジンそのものが高回転域まで性能を発揮できるようになったことから、より高回転側でステップシフト(疑似的な変速)を行うよう制御を変更し、爽快感を向上させた。

RSとタイプRはどう違う?

こうしたハードとソフトの共演による肝心の走りはどうか。試乗したのは「e:HEV RS」(234万6300円)だ。RSとはROAD SAILINGの略語で、ホンダでは初代シビックから設定が始まった。ホンダではRSの名称に、「あたかも道路を帆走するように堂々とゆったり遠くへ」といった意味を込めている。

フィットRSの歴史は2代目フィット(2007年)から始まり、4代目フィットではこのマイナーチェンジモデルが初導入だ。RS史上では通算6代目となる。

「ホンダにはタイプRがあります。こちらは『ピュアスポーツモデル』という位置付けです。一方のRSは、「日常走行でも操る喜びが実感できるスポーツモデル」として展開しています。今回はEveryday Sportsを合い言葉に開発しました」(フィット開発責任者である奥山貴也さん)。

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