「シビック」初代~9代目に今乗ってわかったこと ホンダのクルマ造りと走りの根本がここにあった

✎ 1〜 ✎ 98 ✎ 99 ✎ 100 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
ホンダ「シビック」初代、4代目、5代目、6代目
歴代シビックのうち4代目(右上)、5代目(左上)、6代目(左下)は、今の40代後半以上のクルマ好き世代は強烈に記憶に残っているだろう。右下は初代シビック(筆者撮影)

1972年7月11日に誕生したホンダの初代「シビック」。当初は「2ドア」モデルとして誕生した。同年8月31日にリヤガラスが組み込まれたパネル部分に開閉機構を組み込んだ「3ドアシリーズ」が発売される。

1973年には2ドアからホイールベースを80㎜延長し、後席左右にドアを配した「4ドア」モデルを追加。1974年11月にはルーフを伸ばした「バン」モデルが、1977年9月には4ドアモデルの後部パネルをテールゲート仕様にして開閉機構を組み込んだ「5ドア」モデルがそれぞれ登場している。

シビックの名を世界に知らしめたのは1967年発売の軽自動車「N360」を原点とする「M・M思想」と、「CVCCエンジン」(追加モデルとして1973年12月13日発売)だ。

人の居住スペースを最大に、メカの占有スペースを最小に

M・M思想は、「マンマキシマム・メカミニマム」の略語で、人の居住スペースを最大に、メカの占有スペースを最小に、という根本思想をもったクルマ造りの手法だ。人を尊重する考え方のもと、まずは車内空間を大きくとって、それからエンジンや駆動系、サスペンションなどの機械部分を可能な限り小さいスペースにギュッと詰め込む、これをポリシーとした。

初代シビックではM・M思想を大きくうたわなかったものの、設計はまさにM・M思想そのもの。その後、シビックでは1981年から開発が始まった3代目で大々的にM・M思想をアピールする。

CVCCエンジンは、「複合渦流調速燃焼」という副燃焼室付エンジンのこと。正式名称をCompound Vortex Controlled CombustionとするCVCCエンジンは、当時、アメリカの上院議員であったエドモンド・S・マスキー氏が提出した「1970年大気浄化法/通称:マスキー法」の厳しい排出ガス規制をクリアし世界を驚かせる。ホンダがCVCCエンジンで出願した特許の数は230件を数えた。

次ページ初代から9代目までのシビックを走らせてみた
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事