6代目の真骨頂は、1997年8月に追加されたシビック史上初となる「TYPE R」の追加だろう。1.6Lから185馬力/8200回転(116馬力/L)を絞り出すTYPE R専用エンジンと、軽量&高剛性ボディの組み合わせなどにより、格上のスポーツモデルをサーキットで追い回すことができた。
貴重な歴代シビックの試乗経験だったが、最も感銘を受けたのは初代シビックの追加モデルとして1974年に加わった「1200RS」(RSはロードセーリングの略)だった。
実は試乗直前までエンジンの調子が悪く、試乗は断念かと諦めかけていたところ、専属メカニックの方々による懸命な整備により復活。見事、走らせることができた(大汗かきながらの整備、ありがとうございました!)。
搭載エンジンの直列4気筒1.2Lはツインキャブレーター仕様で、76馬力/10.3kgf・m(初期の通常モデルは60馬力/9.5kgf・m)を発揮する。エンジンが温まる前のツインキャブレーター仕様とあって、アイドリング回転から丁寧にクラッチミートさせて、回転上昇に合わせてゆっくりアクセルペダルを踏み込む。
48年前のクルマが見せた軽快な走り
すると、フォーンとどこまでも伸びる軽快なサウンドとともに、細めのウッドステアリングには細かな振動を伝えながら1200RSは軽やかな加速を見せた。軽量ボディに加え、通常モデルから引き締められたスプリング&ダンパーを備えるだけあって、身のこなしは、ちゃんとスポーツモデルだ。この軽快感は48年が経過した今、コンパクトモデルの「フィットRS」(e:HEV/1.5Lガソリン)にしっかりと継承された。
1972年に華々しくデビューした初代シビックは、厳しい排出ガス規制に打ち勝ち、M・M思想で高効率なクルマ造りを確立。VTECでは若者を魅了し、TYPE Rでは世界を震撼させた。
そして現行の11代目シビックでは1.5Lターボ/2.0L e:HEV/2.0LターボTYPE Rで、今もわれわれにワクワクを届けてくれる。3ペダルのマニュアルトランスミッションが選べることも、クルマ文化の継承といった側面から、個人的には大いに評価している。
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