M・M思想は1981年の初代「シティ」や、現在の4代目「フィット」に至るまで数多くのモデルに受け継がれ、CVCCは機構こそ整理されたものの目指したAP(Air Pollution)設計は、たとえばシビックe:HEVが搭載する直列4気筒直噴2.0Lエンジン(欧州排出ガス規制であるユーロ7相当をクリア)へと昇華された。
初代シビック誕生と同じ1972年生まれの筆者にとって、個人的に歴代シビックのなかで、思い入れがあるのは、1987年の4代目「EF型/グランドシビック」、1991年の5代目「EG型/スポーツシビック」、1995年の6代目「ミラクルシビック」の3世代だ。そして幸運にも、シビック生誕50周年の一環として、初代から9代目までの歴代シビックをクローズドコースで走らせる取材機会を得た。
4代目シビックは4輪ダブルウイッシュボーンサスペンションを新規開発し、低く横方向へとのびたロー&ワイドなシルエットを実現する。また、当時最先端のCAE解析技術をシャーシやボディに用いることで走行性能を格段に高めた。
3ドアハッチバック、4ドアセダンのほか、5ドアモデルは「シャトル」と命名され人気を博す。さらに、シャトルをベースにした「シビックプロ」を名乗る商用モデルもラインアップした。
1989年9月、初のVTECエンジンが搭載される。F1舞台からのフィードバックである高効率な燃焼技術がそれを実現した。従来のスポーツモデル「Si」から、30馬力/0.8kgf・m上乗せされたVTECエンジン(160馬力/15.5kgf・m)が「SiR」と「SiRII」(装備違い)に搭載されたのだ。
35年前の車両に乗ってみた
今回、試乗した4代目シビックはVTECエンジンのSiRではなく、3ドアのSiで5速MTモデル。1.6LのDOHC16バルブPGM-FI仕様で130馬力/14.7kgf・m(ネット値)を発揮する。この頃からエンジン出力表示はエンジン単体のグロス値から、車両搭載状態に近いネット値に変わりだした。
35年前の車両だが、栃木県の「モビリティリゾートもてぎ」内にある「Honda Collection Hall」に動態保存されていることから、とてもきれいで樹脂パーツ1つとってもほぼ当時のまま。とはいえ、貴重な車両なので丁寧な運転操作でモビリティリゾートもてぎにある北ショートコース(982m/周)を2周した。
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