「シビック」初代~9代目に今乗ってわかったこと ホンダのクルマ造りと走りの根本がここにあった

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ホンダの4代目シビック
4代目シビックを後ろから。比較的切り立ったリアウインドーが特徴の1つ(筆者撮影)

実は初代~3代目までの試乗をこなした後に、この4代目を試乗したのだが、過去3代のシビックとは乗り味がはっきり異なっていた。高剛性ボディはゆっくり走らせただけでもネジリ剛性が高められたことがわかるし、切り込んだ際のステアリングフィールはグッと現代的だ。車体のロール量も抑えられている。

アクセルを踏み込んでエンジンをじんわり4000回転あたりまで回してみたが、台形トルクカーブを描くロングストロークタイプの「ZC型」エンジンは、900kg台の軽量ボディを1段高いギヤでも力強く加速させる。1.6Lとは思えない図太いエンジンサウンドも健在だった。

5・6代目シビックを今乗ってみたら?

5代目はVTECエンジンの3ドア/SiRに試乗した。吸・排気バルブのタイミングとリフト量をエンジン回転に応じて切り替えるVTECをさらに進化させ、170馬力/7800回転、16.0kgf・m/7300回転を発揮する。

本来であれば、バルブタイミングとリフト量が高回転側へと切り替わる6000回転以上までエンジンを回したかったものの(身震いするほどの咆哮!)、こちらも動態保存の貴重な1台なので、じんわり4000回転程度にとどめた。ただ、それでも往年の切れ味は十分に感じられた。

続く6代目シビックでは、「ホンダマルチマチック」(いわゆるCVT)を久しぶりに味わった。ベルト式無段変速機をべースに、湿式多板発進クラッチをドリブン軸に配置したことで、当時のCVTが苦手としていた停止直後のスムースな発進加速が実現し、同時に滑らかなクリープ走行も可能にした。

1990年代に入り、ホンダ各モデルでは衝突安全性能の向上をボディ設計要件に掲げていたことから、必然的に小型車であるシビックの乗り味もガチッと引き締められていく。具体的には現代のハイグリップタイヤをしっかり履きこなせるまで、シャーシ/ボディ/サスペンションともに進化した。

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