「ガミガミ言う親の子」こそ変わらない3つの理由 6つの原理原則を基に、別の対応を考えてみる

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子どもに怒っても、叱っても変化がない理由の1つに、話の内容が子どもには伝わっていないことがあります。

「(怒りモードで)さっさと〇〇をやりなさい!! いい加減にしてよ!!」と言った場合、

「親は怒っているな」という認識はできても、「〇〇をする」という点については二の次となり、そこに意識が向かわないため、子どもは何度も同じことを繰り返してしまいます。

また、納得がいかないことで叱られたり、強制されたりすると、反発感情が出てきます。それは何も子どもに限ったことではなく、私達大人も同様だと思います。

子どもが素直に受け取れるよう工夫する

では上記の例であればどのように言えばいいでしょうか。

「〇〇をやるには、△△のようにやるといいらしいよ」

これを筆者は「ワンポイントアドバイス」と呼んでいます。つまり、強制、命令、脅迫、説得をするよりも、1つの簡単なアドバイスであれば、子どもは素直に受け取り、実行する可能性がぐっと上がります。

(3)親が言い続けないと子どもは変わらないと信じている

確かに生活習慣面では、「親が言い続けないと子どもはやらない」というケースはありますし、それが正しいことだと語る人も世の中にはいます。

しかし、この「言い続ける」の部分が、「叱り口調で言う」のか、「気づかせるための促しで言う」のかが重要です。

筆者がこれまで多くの保護者の方から話を聞いてきた限り、前者の方法は極めて難しいと思っています。職人の世界で師匠が弟子に行うのであれば問題ないかもしれませんが、家庭という世界で親が子どもに行うのは継続性が難しいと思います。

声かけ1つで人を行動に駆り立てることは、簡単なようでいて難しいものです。どのような口調と抑揚で声かけするのか、さらに場面、場面でも変わるため、容易ではありません。したがって、言い続けることで子どもを育てるという方法はあるものの、万人向けの方法としては、筆者は推奨していません。

次ページ「言い続ける」のではなく、子ども主体の「仕組み化」をする
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