「ガミガミ言う親の子」こそ変わらない3つの理由 6つの原理原則を基に、別の対応を考えてみる

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そこで、「言い続ける」という手段ではなく、「仕組み化」することをお勧めします。仕組み化の方法はたくさんありますが、シンプルな方法としては次の3つの手順があります。

子どものやりやすさを尊重してサポートする

①いつ、どこで、何をやるか調査

例えば、勉強であれば、いつ、どの場所で、何をやるのかを調査します。子どもも含めて人には居心地のいい場所、気持ちが上がっていく場所というものがあると思っています。例えば、宿題は学校から帰ってきてからすぐやるのがいいのか、それともおやつを食べた後がいいのか、遊ぶ前がいいのか、遊んだ後がいいのか、調査してみなければわかりません。そして興味深いことに、それらは科目で違ったりします。場所もリビングがいいのか、自分の机がいいのか、寝転がりながらやるのがいいのか、スタイルもまちまちです。

②子ども主体で決めていく

上記の①の調査が終わったら、それを1週間試してみます。もしうまく機能しなければ、修正していきます。大切なことは、すべて親が決めたことではなく、子どもが決めたことを実行していくことです。そのほうが実行しやすくなります。親はサポートと助言する立場で関わります。

③見える化

そして最後は「見える化」です。これがされないと継続は難しいでしょう。減量するためにグラフにして「見える化」するほうが効果的ということと同じです。ホワイトボードやノートでも何でも構いませんので、自分がやっていることを「見える化」しておくといいと思います。

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その際、筆者が提案しているのが、「ポイント化」です。タスク1つひとつをポイント化して、そのポイントを累積させていくことで、自分のやったことが数字として積み上がっていることがひと目でわかります。ポイント化の効果は、「子ども手帳」という、筆者が考案した手帳を実践されている方からたくさんいただいているので、試してみる価値はあると思います。

以上、親が叱ったり提案したりしても、子どもが変わらない3つの理由についてお話ししてきました。

継続的にやっていても、いつも結果が同じであれば、手段を変える必要があります。そのきっかけとなれれば幸いです。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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