「自民・国民民主」連立説が示す岸田政権の深い危機 真偽不明の怪情報?与野党に広がる複雑な波紋

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岸田文雄首相と玉木雄一郎・国民民主党代表
岸田文雄首相と玉木雄一郎・国民民主党代表(左写真:JMPA代表取材 、右写真:尾形文繁)

サッカー・ワールドカップでの日本代表の健闘に列島が熱狂する一方、政界では与野党のなれ合いにもみえる旧統一教会(世界平和統一家庭連合)問題での被害者救済法案の臨時国会会期末成立を前に、自民・公明両党に国民民主を加えた「自公国連立」説が流布され、永田町に複雑な波紋を広げた。

内閣支持率低迷による政権危機に焦る岸田文雄首相や自民党執行部が、態勢立て直しの秘策として検討しているとされるが、「真偽不明の怪情報の類」(自民長老)との指摘も多い。公明党への牽制と野党分断という狙いからとみられるが、「岸田政権にとって両刃の剣になる」(首相経験者)からだ。

風説を受け、当事者のはずの岸田首相や玉木雄一郎国民民主代表は「聞いたこともない話」とただちに全面否定した。情報の出所も不透明なため「混迷政局の隙を突く、手の込んだ策謀」(同)との見方が支配的だが、「火のないところに煙は立たない」(閣僚経験者)こともあり、与野党双方になお疑心暗鬼は残っている。

「大胆な手打たねば立ち直れない」と自民幹部

政界で「自民党が、連立政権に国民民主を加えることを検討している」との怪情報が飛び交ったのは12月2日。時事通信が「複数の自民党関係者の間で、玉木国民民主代表が年明けにも入閣する案が浮上」という内容の観測記事を配信したのがきっかけだ。

同記事は、①自民、国民民主両党の幹部が水面下で接触、調整が付けば連立協議に入る、②内閣支持率低迷で危機が続く岸田政権が、国民民主の連立参加で局面転換を狙うのが目的、③岸田首相や麻生太郎自民副総裁も了承している、などが概要。

これについて自民党幹部も2日、「岸田政権はこれぐらい大胆な手を打たないと立ち直れない」と語り、同党内には「国民民主の連立参加で、公明への過大な配慮が必要なくなる」との前向きな意見も出た。

ただ、公明党がただちに「わが党にはまったくメリットがない」(幹部)と反発し、国民民主内でも異論が表面化、同党を支援する連合も「組織が分裂する」と批判した。

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