【鼻づまり】長引くグズグズ「副鼻腔炎」が原因? 慢性化すると手術も、予防には鼻うがいが有効

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話を元に戻そう。鼻風邪と副鼻腔炎は深い関連はあるものの、基本的には別の病気だ。

「例えば鼻水がたくさん出ているからといって、副鼻腔炎とはいえません。逆に後鼻漏があるのに、ただの痰だと思い込んで、放置してしまっている人もいます」と寺田さんは問題視する。

副鼻腔炎の正確な診断には、副鼻腔に炎症の影があるかを画像で見ることのできるCT(コンピュータ断層撮影)検査が必要だ。だが、CT検査はどこでもできるわけではない。できたとしてもすぐに受けられるわけではなく、医療費もかさむため、一般的な検査としては推奨されていない。

そこで、寺田さんは、その日のうちにわかる簡便な検査である、「鼻咽腔内視鏡カメラ」を勧める。鼻に専用の内視鏡を入れ、鼻の奥を観察する検査だ。

「カメラには鼻汁の色や性状、膿などが鮮明に映ります。多くの耳鼻咽喉科クリニックで行われている検査なので、おかしいな、と思われる場合はぜひ、この検査を申し出てください」

菌を死滅させる抗菌薬を使う

では、急性副鼻腔炎の治療はどのように行われるのか。

発症直後で副鼻腔に激しい炎症が起きている時期は、原因になっている細菌を死滅させる働きのあるペニシリン系の抗菌薬が効く。

これでよくならない場合や、ある程度、時間が経過している場合には、「マクロライド系抗菌薬の少量長期投与」という治療が行われる。少量の抗菌薬を毎日、ある程度の期間、服用し続ける治療だ。

「急性期の抗菌薬は細菌を叩くために使いますが、少量長期投与は、炎症を抑える作用や免疫修復作用を利用して細菌を制圧する治療になります。少量なので、副作用は基本、問題にはなりません。服薬の目安は3カ月です。もしそれ以上、服用を続けている場合は、主治医になぜ服用しなければならないのか確認しましょう」(寺田さん)

一方、真菌が原因の場合は、薬による改善が見込めないため、主な病巣の場所となる上顎洞に穴を開けて、患部を取り除く手術が行なわれる。

急性副鼻腔炎が長引くと、鼻茸(はなたけ)が発生する慢性副鼻腔炎になりやすい。

鼻茸はポリープの一種。鼻の粘膜が炎症を起こすことで放出された物質が、粘膜の発育を促す細胞を活性化してできる。

肌色のぶよぶよしたやわらかい塊で、大きいものでは親指大のものも。鼻の奥にできるので小さいうちは気づかないこともあるが、ある程度の大きさになると、鼻づまりの症状があらわれ、入り口からも見える。

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