ところが、そこから3週間後にこんな連絡が来た。
「2人の距離が近づくにつれて、モラハラチックな性格が気になるようになりました。自営業者だから仕方ないのかもしれないけれど、スケジュールもデートで行く場所も彼が優先。私が彼と反対の意見を言おうものなら、すごくキツイ言葉を返してくる。この間は『バカか、お前は!』と言われて、ドキッとしました。最近は彼の顔色をうかがってしまう自分がいるんです」
それを聞いて私は、「モラハラ発言をする男性の性格を直すことはできませんよ。ご本人が自覚すれば直るかもしれないけれど、そもそも悪いと思っていないから、そういう発言をする。人は、そう簡単には変わりません」と言った。
そして、そこから1週間後に「やっぱり交際はやめました」という連絡が来た。LINEで別れを切り出したらしいのだが、そのときの男性のキレっぷりがすさまじかったという。
「わかりました。こちらも暇じゃないので、交際をやめることは了解です。つきましては、今までデートで貴女に支払ってきたお金を精算させていただきます」
自営業者なので、デートで使った食事代や映画代などは、すべて領収書をもらっていたようだ。そのスクショが送られてきて、合計金額のきっちり半分を請求され、振込口座も明記してきた。
女性が別れを切り出した途端、これまですべて支払ってきたデート代を請求してくる男性はまれにいる。プライドが許さないのだろうが、逆に男性の価値を下げる行為ではないか。
みさとは私に言った。「もうびっくりしました。でも、そこに彼の本性を見た。別れて良かった」。
こんな男性とは結婚しなくて正解だったのだが、とても後味が悪い結末だった。
高年収だから払ってもらうのは当然
男性側の声も聞いてみよう。
てつや(39歳、仮名)は、上場企業に勤める年収1100万円の男性だ。先日、とみえ(39歳、仮名)と真剣交際に入り、2人の間ではすでに結婚も決めて、成婚退会も間近だった。
先日、てつやから「相談があります」と連絡が入った。
「これまで、デート代を彼女に支払わせたことは一度もなかったんです。彼女の年収を聞いたら、200万円程度だと言うし」
とはいえ、彼女は実家暮らしなので、働いたお金はすべて自分のお小遣いとして自由に使っていたようだ。バッグや時計など、高価なものを身につけていた。
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