【コロナ後遺症】軽視は禁物「慢性疲労」招く事も 感染しなくても起こる「コロナ疲労」にも要注意

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第2に、後遺症はコロナの重症度とは相関しないことがわかってきている。「コロナが軽症だったとしても、決して後遺症をあなどってはいけない」と中富さんは強調する。

コロナ後遺症の治療についてだが、特効薬はなく、対症療法(症状に応じた治療)をかかりつけ医のいる医療機関や、コロナ後遺症外来で行うことを厚生労働省は推奨している。

「まずは他の病気と関係しているのかどうかを鑑別診断して、他の病気の疑いがない場合は一般的な疲労と同じ治療をしていきます。コロナ後遺症外来などでは、ビタミン剤や漢方薬を処方します」

ビタミンには抗酸化力(回復力)を補う働きがある。ビタミン投与に関する研究では、今のところアスコルビン酸(ビタミンC)投与療法の研究的治療については治療成績を左右しないという結果が出ているそうだが、「感染のさなかは酸化ストレスが上昇して抗酸化力(回復力)が低下することはすでに知られている。抗酸化力を補うという点では合点がいく」と中富さんは話す。

睡眠の質を改善する

このほかにも、第1世代の抗ヒスタミン薬(や抗アレルギー薬)も使い始めているという。抗ヒスタミン薬はそもそもアレルギー反応を抑える薬で、開発された年代により、第1世代・第2世代と分類される。第1世代の抗ヒスタミン薬には強い眠気を誘う副作用がある。抗うつ薬系も同様で眠気を引き起こす。

「休眠催眠作用のある第1世代の抗ヒスタミン薬(や抗アレルギー薬)を使い始めています。私の経験では、コロナ後遺症の1つである『睡眠障害』に着目した治療が必要で、睡眠障害への適切な評価や治療によって倦怠感が改善される。そのため、第1世代の抗ヒスタミン薬、抗うつ薬系で睡眠の質を良くするのが効果的だと思います」

コロナ後遺症では認知機能の低下(ブレインフォグ)の症状が見られる場合もある。こうした症状に対しては、TMS(反復経頭蓋磁気刺激療法)という、難治性のうつ病や線維筋痛症などに対する磁気刺激治療もあり、日本でも研究治療を始めている医療機関がある。

このほか慢性上咽頭炎(鼻とのどの間にある上咽頭が炎症を起こしている状態が2週間以上続く)が起こっているという考え方もあり、上咽頭擦過(さっか)療法(Bスポット療法※詳しくは最終ページに)なども一部の医療機関で試みられている。

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