――身近な人は力になってくれましたか?
家族とは相談ごとをするような間柄ではなくて、友達や大学の先輩に話を聞いてもらっていました。 みんなの反応は「そんなセクハラありえない」「早く辞めな。もったいないよ」といった感じです。
戻ったらまた同じことの繰り返しになる
――同僚たちが今どのような状況かは把握していらっしゃるでしょうか。
わからないですが、加害してきた先輩は水を得た魚状態なんじゃないかなと思います。私のことを言いたい放題言って回ってるんじゃないでしょうか。それもあって、復職は考えていません。職場に戻ったらまた同じことの繰り返しになるのは目に見えていますし、人事部がまともに対応してくれないこともよくわかっています。
それに、特定の先輩からのパワハラについては形だけ、口頭の注意のみですが一応“対応”がされたいっぽう、部署全体のセクハラ体質については何ら是正がされていないと思います。
パワハラの件を人事部に訴えたときにまとめて部署のセクハラのことを相談したのですが、「まずはどちらの件にしますか?」と聞かれ、なぜか1つずつしか対応してくれなくて。結果的にパワハラの件についての対応だけ見届けて休職に入ってしまったので、セクハラについては人事部から誰にも何も、口頭の注意すらしていないでしょうし、改善はまったく期待できません。
でも、心残りなこともあって。自分がこんな目に遭ったので、私が受けたのと同じような加害をする人が市役所内の別部署にのさばっているのはゆうに想像できるし、問題が起こったときの人事部の対応のひどさを知っているので、きっと同じような被害に遭って追い詰められている後輩がいるんだと思うんです。因果関係を断言することはできませんが、うちの市役所は若い職員がどんどん辞めていっています。
だから、人事部に訴え出た最初の頃は、「後輩たちのためにもこの職場に留まって内側から変えていきたい」という思いがありました。こういうことを経験した自分だからこそ変えられることがあるんじゃないかって。
ただ、熱意を持って取り組んでいたんですが、次第に市役所の目の前のビルから飛び降りることばかり考えるようになって。それで、自分のことをまず第一にしようと考えを改めざるをえませんでした。いくら自分は悪くないとわかっていても、メンタルはダメージを負うんですよね。
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