26歳女性「パワハラでの休職」支えた"母の言葉" 追い打ちになるような事を言わないでいてくれた

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パワハラが原因で退職した後、どのようにして回復までの道のりをたどっているのか。 ※写真はイメージです(写真:Yukihiro Nakamura/PIXTA)
「パワハラが原因でうつ病になった」「職場で受けた仕打ちのせいで人と接するのが怖くなった」「就労が困難になり困窮した」……ブラック企業という言葉が定着して久しい日本社会では、こういった体験を見聞きすることは決して珍しくないだろう。
本連載ではそうしたハラスメントそのものについてだけでなく、まだ十分に語られてきていない「ハラスメントを受けた人のその後の人生」について焦点を当てる。加害者から離れた後の当事者の言葉に耳を傾けることで、被害者ケアのあり方について考えられると思うからだ。
今回インタビューに応じてくださったのは、東北地方のある神社に巫女として勤めていたみずほさん(26歳・仮名)。退職までの流れを伺った前回に引き続き、今回は退職後、どのようにして回復までの道のりを辿っているのかを伺った。

自律神経失調症、不安障害などの診断

――退職後のことを教えてください。

最初に目眩症、次いで自律神経失調症、不安障害と診断されました。退職後は実家に戻り、母と暮らしています。

記憶が曖昧なんですが、少なくとも倒れて3カ月は完全に寝たきりでした。とにかく死なないようにしているのが精一杯でした。目を瞑っても目眩がするから、どんな体勢でいてもつらさからは逃れられなくて。薄暗い部屋の中で1人、ひたすら天井を眺めて1日過ごしていました。

辞めてから1年経った頃ようやくまともに動けるようになってきたという感じです。そこからさらに3カ月ほどしてアルバイトを始めました。

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