26歳女性「パワハラでの休職」支えた"母の言葉" 追い打ちになるような事を言わないでいてくれた

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――当初、自分がパワハラを受けていたとは思っていなかったということでしたが、自覚が芽生えたのはいつ頃でしたか?

体が動かないようになってはじめて、「動けなくなるくらいのことをされてきたんだ」という事実からの逆算で状況把握が始まっていったように思います。「自分はしんどかったんだ」という自覚を得たのは3カ月ほど経ってからです。

自分ごとだと思うと死んでしまう気がした

でも最初はすごく他人事だったんですよね。自分の体が壊れたことに。「あーあ、壊れちゃったなあ」みたいな調子で。自分ごとだと思うと死んでしまう気がしたんですよね。だから必死で客観視していたところがあったと思います。

自分のつらさを自覚してから、「どうやって対処すべきだったんだろう」「どんなところがしんどかったんだろう」というところを少しずつ紐解いていきました。

本当に少しずつです。というのも、体を壊してからは集中して物事を考えることが本当に困難で。休職に入ってからしばらくは、体が動かせないだけではなく思考もろくにできなかったです。

集中力が続かないというか、頭の中にずっともやがあるんです。その中で思考を手繰り寄せるのは至難の業でした。ちょっとずつちょっとずつ調子のいいときに思い返すようにしていました。

息抜きの面にももろに影響があって、集中力が続かないので小説を読んだり映画を観たりができなくなってしまいました。娯楽の種類がかなり限られている中で、ゲーム実況動画にはものすごく助けられています。自分でゲームをすることはできないし、ストーリーのあるものを長時間自発的に追うのは難しいので、ぴったりなんです。

今、最初の頃と比べれば体調は随分よくなりましたが、それでも予測できないタイミングで不調の波が来るので、アルバイトも休みがちになってしまうことがあり、再就職はまだまだ考えられない状況です。

――倒れた後の自分の変化をどのように受け止めていますか?

さっき言ったこととも繋がるんですが、会話がものすごく下手になってしまったんです。

元々人と話すことが不得手ではなかったと思っているんですが、倒れてからしばらくは、話し相手の言いたいことがまったくわからなくなってしまって。本当にショックでした。まったくというのは本当に、会話が噛み合わない、なんのために今そう言ったのかわからない、という感じで。

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