長期間の不登校になる前ぶれとしては、学校を休みがちになるのが一般的です。子どもが「きょうは学校に行きたくない」と言ったら、かぜをひいたときと同じように休ませてあげてください。
「学校に行きたくない」あるいは「学校に行けない」ときは、子どもの心が「かぜ」をひいている状態なので、まずは心の回復を最優先に考え、学校を休ませる。具体的に動きだすのは、そのあとのことです。
親にも言えない深い心の傷であることもある
もし学校側から登校を促されても、その日はとにかく休ませましょう。子どもが不登校になると、最初に学校の先生に相談しがちですが、学校の先生は「学校に来る子どもの専門家」であって「不登校の専門家」ではないため、学校に来ない子どもを学校に来られるようにすること以外のアドバイスをもらえるケースはほぼありません。
もちろん、子どもの学校での様子や、学校に行かなくなってしまった経緯のヒントを与えてくれる可能性はありますが、不登校の子どもに対応する特別なスキルや時間を有している先生はほとんどいないのが現実で、これは、担任の先生だけでなく、学年主任や校長などの管理職の場合も同様です。
多くの親は、不安感から「学校」だけに頼りがちです。中には、子どもの状態をよく観察するところにさくべきエネルギーを、学校に相談することで使い果たしてしまう方もいます。
1日、2日休ませ、1週間を過ぎてもなお子どもが学校に行きたがらない場合、子どもは親にも絶対に言えない深い心の傷をかかえているケースが多いと考えてください。
親の「学校に行ってほしい」という思いを察して、「学校には行きたいけど」と言い出す子どももいます。しかしその場合、根本的な心の傷がいえたわけではないので、数日学校に行き、また行けなくなる場合がほとんどです。
ほかにも、「週に2日だけだったら、学校に行ってもいい」「給食の時間だけ学校に行きたい」と言い出す子どももいますが、「○○だったらがまんできる」という状態は、事態が好転したとはとらえないほうが賢明です。むしろ、週2、3日あるいは給食の時間だけ学校に行っている間にどんどん心の傷が深まっていく可能性すらあります。
子どもの「がまん」が蓄積されてしまうためです。これは、いわゆる「保健室登校」の場合も同様で、心から楽しんで保健室に通っている場合以外は、根本的な問題の解決に至っているとは言えません。
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