
コミュニケーションをうながすラウンジスペース (写真:メルカリ)
新型コロナウイルス感染症の拡大によって、リモートワークは急激な広がりを見せた。一方で、コミュニケーションの密度が低下し、「チームが上手く回らない」「モチベーションが維持できない」「孤独感を感じる」という声も多く、コロナ以前の働き方に戻っている企業も少なくない。
それでも、今こそ、仕事のあり方を「リデザイン(再設計)」する絶好のチャンスとして、変革の指針を打ち出しているのが、イギリスの経営学者、リンダ・グラットンが著した『リデザイン・ワーク 新しい働き方』だ。
日本でリモートワークの弊害を克服し、柔軟な働き方を不和なく導入できた会社がある。日本最大のフリーマーケットサービスを提供する「メルカリ」だ。
メルカリでVP of HR Marketplaceを務める山本真一郎氏に、主に自社の取り組みについて聞いた前回の記事に続き、本記事では、リモートワークでも十分なコミュニケーションを確保するコツについて語ってもらった。
社員間の交流を深める3つの取り組み
──リモートでは、社員どうしの交流が希薄になりがちですが、御社ではどのように解消していますか?
社員どうしのコミュニケーションは重要ですね。弊社では3つの取り組みを行っています。
1つ目は、コロナ禍以前からの慣習として、部署内外で情報共有をしやすいコミュニケーションツールを使用していることです。
メルカリには、原則社内メールはありません。基本的には、チームコミュニケーションアプリ「Slack」による即時コミュニケーションを行っています。
2つ目は、社内の書類が公開されていることです。
どの会議もほぼ逐語で議事録をとり、関係者内でとどめる必要がないものは、全社公開されています。そのため、会議に出席できなかったとしても、すぐにキャッチアップが可能です。
3つ目は、チームごとにお互いのワークスタイルを把握するためのミーティングを行っていることです。
自分のコアタイムは、何時から何時までなのか。「Slack」によるコミュニケーションは、ダイレクトメッセージがいいのか、そうでないほうがいいのか。
朝と夜どちらが働きやすいのか、家族の事情について知っておいてほしいことなど、みんながスプレッドシートに書いて、ミーティングで共有します。それを見ながら、お互いにとってパフォーマンスを発揮しやすい働き方への理解を促進するのです。
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