映画「あちらにいる鬼」監督が引き出す俳優の魅力 幅広い作風で話題を呼ぶ廣木隆一監督に聞く

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「あちらにいる鬼」場面写真(©2022「あちらにいる鬼」製作委員会)
昨年亡くなった故・瀬戸内寂聴さんとその交際相手の作家の故・井上光晴さん、妻の郁子さんとの関係をモデルにした映画『あちらにいる鬼』が現在公開中だ。原作小説の著者は井上夫妻の長女である直木賞作家の井上荒野さん。剃髪をして挑んだ主演の寺島しのぶさんの熱演が話題だが、瀬戸内さんが出家後も井上家とは家族ぐるみの交流が続き、現在、瀬戸内さんの遺骨は分骨され井上夫妻と同じ墓地に眠っている。なぜ今、この3人の関係性を描こうと思ったのか。同作監督の廣木隆一さんに作品に寄せる思いや自身の演出方法などについて聞いた。

 

【あらすじ】
1966年春、作家の長内みはる(寺島しのぶ)は徳島で行われる講演会に師として招かれ、白木篤郎(豊川悦司)に出会う。東京に戻ったみはるは、見学と称して篤郎が暮らす団地を訪ね篤郎の妻・笙子(広末涼子)に出くわす。やがてみはると篤郎は男女の仲になり、篤郎はみはるのマンションに足繁く通うように。一方、笙子は自分の書いた短編を篤郎名義で発表していた。そして、笙子にみはるとの関係を隠さない篤郎はみはる以外の女性とも関係を持っていた……。やがてみはるは出家を決意。1973年11月の得度式には笙子に勧められてその場にいた篤郎の姿があった。そして、18年後、彼らの物語の最終章が訪れるが――。

また寺島しのぶを撮りたかった

――映画『あちらにいる鬼』の制作経緯についてお聞かせください。

寺島(しのぶさん)と久しぶりに映画を作りたいと思っていました。それで原作の『あちらにいる鬼』を読んだ時に「寺島が(瀬戸内)寂聴さんを演じたら面白いかな」とふと頭に思い浮かんだんです。それを寺島のマネージャーに「どう思う?」と持ち掛けたところから企画は始まりました。

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