映画「あちらにいる鬼」監督が引き出す俳優の魅力 幅広い作風で話題を呼ぶ廣木隆一監督に聞く
この間、『母性』(‘22)という映画を撮りましたが、もちろん女の人たちの話です。いわゆる母性は男性の僕にはわからないです。
でも、「女性だからこう感じるでしょう」というのではなく、「この親子ならこう感じるのではないか」と描くことはできる。
「男と女」「親と子」だからではなく、「このふたりならどう感じるか」ということが大切なんです。
――どの作品も理屈ではない生々しさがスクリーンにあふれているように感じます。
そうですね。理屈ではないと思います。なので、その場で演技をしてもらって「違う」と思ったら「うそっぽい」と伝えるだけです。
僕もそうだし、俳優さんもスタッフもせっかく映画を作っているわけだから、1人だけでは行けないところに行ってみたいですよね。何よりいい映画を自分が見たい。なので、明確な手段があるわけではありませんが、つねに「映画のリアル」を追求してより高いところを目指して模索しています。
007みたいな映画を撮ってみたい
――これからどのような映画に取り組んでいきたいですか。
自分が企画して持ち込んでいるものも、依頼のあるものも、今、企画が走っている映画はすべて恋愛映画です。でも、撮ってみたい映画は『007』シリーズみたいな映画です。すべてうそなのですが本当にカッコいい。とても映画的ですよね。映画ってこんなこともできる、と思わせてくれるというか。
映画でしか表現できない世界を追求していきたいですね。
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