36歳での婚活で60人と会った彼女の「最後の選択」 もっとも「可能性のない男性」と結婚したワケ

✎ 1〜 ✎ 223 ✎ 224 ✎ 225 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ラファエルさんの実家はパリにあるが、両親は離婚していて父親はすでに再婚している。弟も含めて仲はいいが個人主義の家族だ。ラファエルさんは「治安の悪いパリで子育てはしたくない」と断言。母親は英語も日本語もできないので、美雪さんとはグーグル翻訳を使って軽い会話を交わしている。

「私も70代の両親に子育てを頼るつもりはありません。たまに孫を見せに行って元気をお裾分けしたいとは思っています。ジャニーズ好きで独身の姉はなぜかやる気になっていて、『いったんはジャニーズに入れよう』と提案されました(笑)」

家族というチームを作るために

美雪さんは子どもの頃にいじめに遭ったことがある。家族が1つのチームとなってサポートしてくれて乗り切れた。そのときの温かさと力強さは今でも美雪さんの心身を支えている。

「これから先、親が亡くなったら家族というチームのメンバーが減ることになります。それだけパワーが減ると思うんです。だから、私自身の人生でも同じようにチームを作りたいと思いました。チームのパワーは減らしちゃいけないんです」

独特の表現で家族の意義を語る美雪さん。20代の婚約破棄から15年ほどの歳月を要してしまったが、それだけ気持ちが丸くなって成熟したと実感している。

「若いときは流れと勢いに任せてしまうくせに、他人と自分の違いを受け入れられないところがありました。自分の人生を少しはコントロールできるようになった今は、他人が自分に合わせてくれなくても問題ありません。誰かと一緒に暮らすというハードルが下がったと思います。こんな性格をしている私には遅めの結婚が向いていたのかもしれません」

この連載の一覧はこちら

自分の姿を省みずに目線ばかり高くなるとミスマッチが生じると冒頭で書いた。逆に言えば、自らを厳しめに見つめて視野を広げると世の中はマッチングの可能性に満ちているのだ。

それは妥協ではなく成長だと筆者は思う。30代後半できちんと反省して果敢な行動に移し、意外性のある大きな幸せを手にした美雪さんがその証拠だ。

本連載に登場してくださる、ご夫婦のうちどちらかが35歳以上で結婚した「晩婚さん」を募集しております(ご結婚5年目ぐらいまで)。事実婚や同性婚の方も歓迎いたします。お申込みはこちらのフォームよりお願いします。
大宮 冬洋 ライター

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事