36歳での婚活で60人と会った彼女の「最後の選択」 もっとも「可能性のない男性」と結婚したワケ

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他に会っていた男性たちはいずれも煮え切らない反応だった。ややイライラしていた美雪さんは気軽な息抜きがしたかったと振り返る。自分以上に大胆かつ積極的なラファエルさんに報いたいと思ったのかもしれない。

その後、横浜に民泊で滞在し始めたラファエルさんからは「ポケモンイベントに一緒に行かないか?」などの誘いが来るようになり、4回目ぐらいに彼の部屋での食事に招かれる。ラファエルさんに親しみを覚えていた美雪さんはやはり気軽に応じた。

「付き合う対象にはならない」と断ったのに

「私は子どもではないので、そういうことになってもいいかなとは思っていました。食事の後にやっぱりそういうことに。でも、お互いに楽しかったからいいよね、という気持ちでした」

一方のラファエルさんは本気になっていた。ワーキングホリデーの期限を迎えてフランスに帰国することが決まっていたが「好きなんだけど」と美雪さんに告白。それに対する彼女の答えは明確なものだった。

「それは無理だよ。私はあと1、2年ぐらいのうちには結婚したいから。あなたのことは男性として好きだけれど、付き合う対象にはならない。そもそもあなたは無職だしね。ごめん!」

去る者は追いたくなるのが人情だ。ラファエルさんは「日本で仕事を見つけられたら対象になるの?」と食い下がり、現在の勤め先であるホテルの就職試験を受ける。フランスに戻る2日前のことだった。

ゴミ袋1つに洋服をまとめて美雪さんに預けたラファエルさん。試験の結果が合格ならばすぐに日本に帰って来るし、不合格ならば捨ててほしいという。フランス映画に出てくるようなカッコいいセリフである。

「合格したらしくて3週間後に本当に帰ってきました(笑)」

淡々とした表情で笑う美雪さん。自由かつ自立しているラファエルさんに最初から縁を感じていたのかもしれない。翌年の2018年の年末に結婚し、今年の春に不妊治療を経て妊娠した。

「子どもは絶対欲しいわけではないけれどトライはしたいと思っていました。でも、いつまでも引きずっていたくはありません。結婚する前から、彼には『41歳までに子どもができなかったら作らない』と話していました」

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