36歳での婚活で60人と会った彼女の「最後の選択」 もっとも「可能性のない男性」と結婚したワケ

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高校の商業科を卒業後に入った会社は適性がなくて1年半で退職したという美雪さん。派遣社員などを経て、バックオフィス系の仕事を一通り経験。自分は人事採用の業務に向いていることを知り、スキルを磨いてきた。現在は中小企業で正社員として働いている。

「学生時代から恋愛にはそれほど興味がありませんでした。誰かと付き合っている時期もありましたが、4年間ぐらい彼氏がいないことがあっても平気でしたね。女友だちとご飯を食べに行ったり美術館に行ったりすることが楽しかったです」

23歳のときに婚約破棄をした経験が

そんな美雪さんだが23歳のときに婚約破棄をした経験がある。4歳年上の恋人と3年付き合い、プロポーズに承諾したものの「よく考えたら無理。申し訳ないけど」と判断した。

「その人はご両親との関係が近すぎると感じたからです。私に結婚を申し込んだのもお父さんに『一人暮らしの女性と3年も付き合っているなら、男として責任を取れ』と言われたから。私は責任を取ってもらうつもりはありませんでしたし、彼は私とではなくご両親との間で結婚話が盛り上がっている気がしてしまいました」

若気の至りといえばそれまでだが、美雪さんも代償を払っている。「また同じようにプロポーズされる機会が訪れるだろう」と思って過ごしていたら、そのような機会は35歳を過ぎても一度も訪れなかったのだ。

「初めて自分と向き合いました。そして、ちゃんと行動しないと結婚はできないのだと気づいたんです。同僚に『誰か紹介して』とお願いしながら、いろんな友だちに相談しました」

2人の友人から、同じ外資系の出会い系サイトで恋人を見つけたと聞いた。全世界の人が参加でき、恋愛だけでなく語学を教え合ったりホームステイ先を探すこともできる。短期集中で「先を見据えお付き合いができる人を探そう」と思った美雪さんは有料会員になってサイトをフル活用し始めた。

「最初は日本人縛りで相手を探していました。検索条件に入れたのは30歳から49歳で関東地方に住んでいることぐらいです。私は相手の職業や年収は気にしないし、生理的に無理という人もほとんどいません。人事採用担当の職業病なのかもしれませんが、まずは相手のいいところを探す癖がついています」

次ページ採用活動に慣れた美雪さんには別のこだわりが
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