「私と結婚しないの?」勝負に出た45歳女性の結末 「煮え切らない男」はどうすれば突き動かせるのか

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「細マッチョ同士」の40歳を過ぎての結婚。その経緯とは?(イラスト:堀江篤史)

東京・三宿にあるフランス料理店に来ている。ランチタイムの座席で待ち合わせをしたのは新婚ほやほやの片岡謙介さん(仮名、53歳)と奈津さん(仮名、45歳)。

謙介さんは趣味のアイスホッケーで体を鍛えており、奈津さんは元プロスポーツ選手で現在はインストラクターをしている。どちらも「細マッチョ」で都会的な雰囲気が漂う。

お似合いだけど予想外の組み合わせの夫婦

筆者はライター業のかたわら、男女を引き合わせて結婚までをお手伝いする「お見合いおじさん」をしていて、彼らは8組目の成婚カップルとなる。

お見合い用に、謙介さんのプロフィール記事を筆者が書いてネットで公開したのが昨年5月。奈津さんは彼とのお見合いを希望してくれた女性の一人だった。今年に入ってから交際が始まり、約半年後の婚約となった。

とっつきやすい人柄だけど、「ホテルライク」な生活空間にこだわり、自分にも他人にも要求水準が高い謙介さん。テレビドラマ『結婚できない男』で阿部寛が演じた主人公を朗らかにしたような人物である。「友だちは多そうだけど結婚は難しいだろうな」と思っていたら、3回の結婚歴がある奈津さんと結ばれた。お似合いだけど予想外の組み合わせだった。

「この店、めっちゃ美味しいですね。前菜の盛り合わせからこんなに美味しいなんて……」

食事の最初からやたらに上機嫌の謙介さん。店を選んで予約した側としてはうれしくなるが、謙介さんは「どんなときも自分が楽しく過ごす」ことを自らに課しているらしい。喜びを口に出すことで相手以上に自分の気分を高めているのだろう。この習慣は奈津さんを引きつけ、そして一度は手放しそうになった。後ほど詳述する。

次ページ3回の結婚は、尽くすあまり相手が増長してしまう生活だった
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