長友佑都が明かす「メンタルモンスター」の秘訣 「批判やミスの中にこそ成長のチャンスがある」
〈ナポリ戦自分のミスで負けた。これがサッカー。1つのミスで勝敗が決まる。転んだら立ち上がればいい。俺はまだまだ強くなれる。〉
昔から変わっていないな、と思うけど、このツイートは案の定、大炎上した。翌日の地元の新聞にも掲載されて、ずいぶんと叩かれた。
けれど、僕にとっては重要な行動だった。
ミスをしてしまう未熟な自分をより成長させるためのエネルギー。それは、素直な思いを吐露したときに、返ってくる賛否の声だ。
ときにはそれが厳しい批判であったとしても……いや、批判だからこそ、かもしれない。
勝利を願ってくれたサポーターの厳しい声を真摯に受け止めつつ、反骨心のエネルギーにする。実際、賛否の中に「HOW」のヒントが隠れていたりもする。
批判やミスの中に、成長のチャンスがある
日本代表で「長友不要論」が話題になっていたとき、僕は積極的にYahoo!ニュースにある自分の記事の「コメント欄」を見ていた。
相当な書かれようだったけど、「なるほどな」とか「よく見えているな」と思う言葉もあった。
僕はあえてそれを「拾い」にいって、自分の財産にしようと思ったのだ。
逆に気を付けなければいけないのは賞賛だ。
褒められるとうれしいし、気分がいい。でも、それを成長させてくれるもの、として捉えたり、批判を受け止められなくなると、独善的になってしまう。
自分は正しい、あいつらはわかっていない――。
批判やミスの中に、成長のチャンスがある。それは僕の信念だ。
「ネガティブをポジティブに変換する術」は、6月6日、ブラジルとの親善試合で相対したブラジルのエース、ヴィニシウスに向き合った時間を振り返るとわかりやすいかもしれない。
あのときの僕がしたこと。
まず湧き上がってくる不安と向き合うこと。そして、ヴィニシウスのパターンを把握しようと努めた。
ホテルの部屋で100回以上、彼のプレー動画を見続けたと思う。
見れば見るほど、「これ、止められる?」という気になっていく。やばい、怖い……。
僕は自分のこの行動を、「自分と対話」すると表現している。
本当にできる? 大丈夫? 今どんな感情?
そういった「見たくない」ものを、あえて見る。受け入れる。
これが重圧と戦い、ネガティブをポジティブに変換するための第1段階になる。
この段階を飛ばして、本当は怖いし、不安なのに「大丈夫だ」「俺はできる」と思い込もうとする人は結構、多い。
でも、それは単純に怖いものに蓋をしているだけで、ハリボテのポジティブでしかない。
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