なぜイケアの人は活き活きとしているのか? 一般の企業とは少し違う「人を見る目」

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後で彼に聞いたら、バリューやカルチャーを説明する中で、私の目がどんどん輝いていったんですって。「へええ、そうなんですか!」みたいな。それで彼は採用を決めたのですって。

一般企業とは違う「採用基準」

懸けみたいに思われるかもしれないけれど、私たちが採用をするときにいちばん大事なポイントだと考えているのは、「私たちとあなたは同じ価値観を持っていますか?」ということ。価値観というのは、原則的にはなかなか変えることができない。スキルだったら、もし何か足りないことがあれば後から教えれば大丈夫ですが、価値観はそうはいきません

たとえば次のような4人がいるとします。

Aさんはバリューが合っていて(価値観がイケアと合っていて)、スキルもある。
Bさんはバリューは合っているけれど、スキルがない。
Cさんはバリューが合っていないけれど、スキルはある。
Dさんはバリューもスキルも少し違う。

このとき、必ず採用するのはもちろんAさん。では次はどの人を採用するかというと、スキルのあるCさんという会社もあるかもしれないけれど、イケアでは価値観の合うBさんなのです。どちらかというと将来の可能性を重要視すると思います。

面接のときにはいろいろな質問をしますが、「人生においていちばん大事なことは何ですか?」とか、「いちばん大切にしているものって何ですか?」とか、その人が持つ信念のようなものが、イケアが求めているものと近しいかどうかを見ていきます。

イケアの価値観に合うというのは、最初に言った「人の力を信じる」「全員に才能がある」「より快適な毎日をより多くの方々に届ける」ということや、さらに「10values」という人事理念に合っているかということです。

【イケアが重視する「10values」】
①自らの行動で示すリーダーシップ
②簡潔さ
③現実を直視すること
④常に「道の途上」にあること
⑤コスト意識
⑥絶え間ない向上心
⑦謙虚と意志力
⑧あえて違ったやり方でやってみる
⑨連帯感と情熱
⑩責任を担い、委任する意識
次ページ何百回でも言いたい、大好きな言葉
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