なぜイケアの人は活き活きとしているのか? 一般の企業とは少し違う「人を見る目」

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

でもそこで、男性に対する期待値と女性に対する期待値がまったく違うという現実に直面して、1年で退職。自分が何をすればいいのか途方に暮れたのですが、一度外に出てみようと思ってイギリスの語学学校へ通った後、ヨーロッパを拠点とする教育関連の会社に勤めました。その後帰国して、外資系映画配給会社で人事担当として10年、さらにその後、英国系映画配給会社へ。そして、40歳のころにイケア・ジャパンに転職したのです。

面接で経歴を聞かれない、という驚きの体験

最初は転職をするつもりはまったくありませんでした。前職で任されている仕事にも待遇にも満足していましたから。でも知り合いのヘッドハンターの女性から、「イケア・ジャパンがストアの人事マネジャーを探しているから、どうしても一度面接を受けてみてほしい」と言われて。「どう考えてもあなたがベストフィットな人なんだよね」って強く言われたのです。

 

私は前の会社も大好きだったから、「たとえ6カ月経っても答えは変わらない」と言うつもりでした。でも、すごく下世話な話ですけど、彼女が「ワインとディナーをおごるから、本当に軽い気持ちでいいから会いに行こう」って言ったんですね(笑)。そこで行った面接で、私は価値観を真剣に語る当時のマネジャーの人柄にほれ込んでしまったのです。

当時まだイケア・ジャパンは従業員20人程度の小さな会社でした。マネジャーに90分時間を取っていただいたので、履歴書をしっかり用意して持って行ったのです。私は日本人ですから(笑)。

でも彼がその90分をどう使ったかというと、私への質問ではなくて、イケアの価値観についての説明でした。「イケアのバリューって言うのはね。私たちの文化はね」って言って、本を1ページずつめくって見せながら説明をしてくれたのです。本当に信じられないかもしれないけれど、私の経歴に対して彼はほとんど、というかひとつも質問がなかったのです。

私はそれまで映画会社や教育系の会社など、複数の会社で働いてきましたが、モノを売るというより、「形のないもの、夢を売る」というところが多かった。イケアはホームファニシングだから「モノを売る会社」と思われるかもしれないけれど、面接のときにストアマネジャーが私に語ってくれたのは「私たちはホームファニシングを通じて、より快適な毎日をより多くの方々に届けたいんだ」ということでした。その説明に私はたちまち魅了されてしまったのです。

次ページスキルより重視するもの
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事